サイト内検索:

お金の持ち主はどう決める?

~最高裁昭和39年1月24日判決~

 お金を騙し取った相手がそれを返済に充てていると知ったら、誰でもその返済を阻止してお金を取り返したいに決まっています。
でも本当にそれができるでしょうか。
お金は誰のものか、法律上の判断基準をみてみましょう。

 
衣類の小売販売店を営むAは、X1・X2・X3・X4に対して債務を負っていました。
この返済が滞ったため、AはXらと協議し、

  • 債務完済までXらに営業全部を譲渡するが、事実上の経営はAが継続する
  • 売上金はXらに対する債務の返済に充て、Xらが売上金の1割を生活費としてAに支給する

という内容で合意しました。
このとき、X1が代表者、X2が会計担当者となりました。

 ところが、Aはこれとは別にYに対しても債務があったため、Yからの申立てを受けて仮差押命令が発せられ、執行吏がAの店舗を訪れる事態に。

 すでにXらに譲渡されている店舗商品が差し押えられることや、Yの存在をXらに知られることを恐れたAは、会計担当者であるX2宅に行き、仮差押の事実を隠したまま、「X1から仕入資金を貰ってくるようにいわれた」とX2に嘘を言って、Xらの共有財産から約11万円を受け取ったうえ、店舗の売上金約6万円を横領しました。
そしてAは、これらの合計約17万円を自分の預金であると偽って執行吏に提出したのです。

 これを知ったXらは、Aが提出した金銭は自分達に所有権があると主張し、Yに対して第三者異議の訴え(民事執行法38条)を提起。
強制執行をやめるよう求めました。

 原審は、件の金銭の所有権は、占有と同時にAが取得したものと判断しました。
そのため、執行がなされたのはA所有の金銭であるとして、Xらの主張を認めませんでした。

credit:Money / 401(K) 2012

ページトップへ