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マンションで騒音トラブル発生!子どもの生活音はどれくらいに抑えるべき?(1)事案の概要

~東京地裁平成24年3月15日判決~

 マンションなどの集合住宅に住んでいると、隣人の生活音が気になる瞬間があります。
 特に、幼い子どもがはしゃぐ音や声に関しては、その子の家族が騒音として意識していない場合が多く、気が付けば大きなご近所トラブルに発展している、なんてことも...。

 X1は、平成17年12月、マンションの104号室を購入して、家族と入居しました。
 その翌年の4月、真上の204号室にYが越してきます。
 Yには幼稚園に通う年齢の子どもがおり、入居以降、この子どもが深夜まで204号室内を走り回るなどして騒音を発生させるようになりました。

 半年ほど経った同年10月、X1らはマンション管理人に歩行音を訴え、管理人は、一般論として騒音を生じさせないよう注意を促す書面をマンション全戸に配布しました。
 このやりとりは翌月も繰り返されましたが、Yの子による騒音が改善することはありませんでした。

 平成20年7月、X1は業者に依頼し、64万500円の費用をかけて、同月3日~30日にわたりリビングルームの騒音を計測し、高いときには46~66dB(A)という値を得ました(「dB(A)」とは、Aフィルタで計測し、より人間の聴覚に近い補正をかけたときの音の聞こえ方の単位。騒音の判断に用いられる)。

 ※ 同じ値でも、屋外で聞く音よりも屋内(自室)で聞く音の方が大きく感じられるものです。それが隣家など自室以外の場所から発せられたものであればなおのこと。
 日本建築学会は、屋内で聞く外部からの騒音に対し、人は以下のように感じると報告しています。

40dB(A) 多少大きく聞こえる
45dB(A) 大きく聞こえる
50dB(A) かなり大きく聞こえる
55~60dB(A) 非常に大きく聞こえうるさい
65dB(A) 非常にうるさい
70dB(A) 非常にうるさくて我慢できない

 こうした騒音により、X1の妻X2はストレス性の体調不良を起こし、メンタルクリニックに通院するようになりました(かかった治療費・薬代は合計2万4890円)。

 X1らは、Yらが騒音を発生させたうえ、騒音軽減対策(子を走らせない・階下に騒音が響かないようにするなど)も怠ったと主張。
  不法行為によりX1らの人格権や104号室に対する所有権を侵害したとして、騒音の差し止めと損害賠償を請求しました。
一方Yは、X1が主張する騒音の発生を否認し、損害の発生を争うと反論しました。

 一体、裁判所はどちらに軍配を上げたのでしょうか?
 次回、詳しく説明します。

  • 隣近所その他の生活妨害マンションで騒音トラブル発生!子どもの生活音はどれくらいに抑えるべき?(1)事案の概要
  • 民事判例解説マンションで騒音トラブル発生!子どもの生活音はどれくらいに抑えるべき?(1)事案の概要

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