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マンションで騒音トラブル発生!子どもの生活音はどれくらいに抑えるべき?(2)裁判所の判断

~東京地裁平成24年3月15日判決~

 子どもが活発なのは結構なことですが、マンション内での飛び跳ねなどは、時に階下の住人を悩ませる騒音になり得ます。
 前回から取り上げている本事案は、昼夜を問わず繰り返される子どもの騒音(走り回る音や飛び跳ねる音)に苦しみ、ストレス性の体調不良まで起こした階下の住人Xらが、騒音を計測したところ、46~66dB(A)の値が得られたというもの。
 Xらは裁判を起こし、子どもの親であるYに騒音差止めと損害賠償の支払いを請求しています。

 今回は、裁判所がどんな判断を下したか、一緒にみていきましょう。
 裁判所は、Xらの請求の主要部分を認容し、Yに騒音の差止めと損害賠償の支払いを命じました。

 まず、なぜ騒音源がYの子の歩行や飛び跳ねの音と特定できるかについて。
 計測で得られた音は、125Hzの周波数の成分が一番大きかったのですが、この125Hzという値は「重量衝撃音(子供の体重に近い重量物を高さ1m程度から落下させたときの床衝撃で発生する音)」の周波数に該当します。
  この周波数の音がマンション外で発生し、壁や窓を通じて104号室に伝搬するとは考えにくいうえ、騒音の発生時間帯とYの子の204号室在室時間が整合していたことから、Yの子が原因と判断されたのです。

 また、Yの子が出したとされる125Hzの重量衝撃音の場合、46~66dB(A)はdBに換算すると62~76dB程度に相当します。
 マンションは、性能上、通常の想定内の重量衝撃音であれば、58dB以下(聞こえるが意識することはあまりないという程度)にまで遮断できるはずであるのに、本件の騒音は62~76dBと、この58dBを大きく上回っていることから、相当にうるさいものであったと推察されます。
 したがって、Yらがこの騒音を抑える配慮をしなかったことはXらの受忍限度を超える不法行為だと認定されたのです。

 以上の理由から、Xらの騒音の差止め請求は正当であると結論付けられ、Yは騒音を

  • 21:00~翌7:00は40dB(A)以下
  • 7:00~21:00は53dB(A)以下

に抑えよと命じられました。
 さらに裁判所は、Yらに対し、Xら夫婦に各30万円の精神的苦痛に対する慰謝料と、治療費・薬代、騒音測定費用も支払うよう指示しています。

 いかがでしたか?
 Yの負担は、たかが子どもの騒ぐ音くらい...とは言えない額ですよね。
 マンション等にお住まいの方は、騒音対策の参考にしてください。

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