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誰に対して刑法は適用されるのか?

 第2回目の今回は、「誰に対して刑法は適用されるのか?」というお話をしようと思います。

 まず、刑法は「この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する」と規定していることから、国籍のいかんを問わず、日本国内で罪を犯した場合には日本の刑法が適用されます。このため、裁判員制度の対象となる事件の中には、外国人が被告人となる事件も出てくることになります。
  また、日本の船舶、航空機の中で起こった犯罪についても、日本の刑法が適用されることになっています。例えば、アメリカ合衆国上空を飛行中の全日空の旅客機内で傷害事件が発生しても、日本の刑法が適用されることになります。

 次に、一定の重大犯罪については、国外で罪を犯した場合であっても日本の刑法が適用されます(国外犯)。この国外犯はさらに4つに分かれ、(1)国外で特定の罪を犯したすべての者が対象となる場合、(2)国外で特定の罪を犯した日本国民が対象となる場合、(3)国外で日本国民が特定の罪の被害者となった場合に、その罪を犯した外国人が対象となる場合、(4)国外で日本の公務員が特定の罪を犯した場合、があります。
  (1)の例としては内乱罪、通貨偽造罪など、(2)の例としては殺人罪、放火罪、傷害罪、窃盗罪、強盗罪など、(3)の例としては、殺人罪、傷害罪、誘拐罪、強盗罪など、(4)の例としては、収賄罪などがあります。

 次回は刑の種類について説明します。

○Q&Aコーナー

Q 外国人が被告人となる場合、通訳がついたりするのでしょうか?
A 外国人が被告人となる場合、「通訳人」(法廷通訳)が通訳を行います。この通訳人は裁判所の職員ではなく、事前に通訳人候補者として登録された人の中から事件ごとに選任されます。普段の仕事はフリーの通訳、語学学校の先生など様々なのだそうです。
  法廷で使用される外国語で多いのは、中国語、韓国・朝鮮語、フィリピン語、ポルトガル語、タイ語の順だそうですが、全国の地方裁判所・簡易裁判所で使用された言語は全部で42言語もあったそうです(平成18年・最高裁の資料による)。

 また、捜査段階では警察や検察、弁護人も通訳を利用します。警察の場合は専門の職員が配置されていることもあるようですが、検察、弁護人は民間の通訳を利用することが多いようです。
Q 国内で犯罪を犯した人が海外へ逃亡した場合、どうなるのですか?
A 米国と韓国に逃亡した場合には、犯罪人引渡条約に基づいて相手国に対して引渡しを要求できます。その他の国については、国際刑事警察機構(ICPO)やその他の外交ルートを通じて相手国に対して身柄の拘束や引渡しを要請することが行われているようです。
  ただ、犯罪を犯した外国人が海外に逃亡した場合、その外国人の母国では自国民の保護を理由に引渡しを拒否することがありますし、その国の国外犯規定に基づいて身柄の確保・処罰が行われることもあり、常に身柄が送られてくるわけではありません。

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