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故意

 第8回目の今回は、「故意」について説明します。

 「故意」とは、「罪を犯す意思」のことで、原則として故意がない場合には罰せられません(故意犯処罰の原則)。

 殺人の故意(殺意)を例に考えると、「死ねっ!」と包丁で相手の左胸を刺せば、殺意が認められるのは問題ないでしょう。
  また、相手に向けて拳銃を発射すれば、人が死ぬという結果が発生することはわかっているので、やはり殺意が認められるといえます。
  では、鉄の棒で頭を強打する場合はどうでしょうか。この場合、拳銃を発射するときほど人が死ぬという結果が確実とはいえません。しかし、この場合でも「ひょっとしたら死ぬかもしれない」と一般の人であれば思うでしょう。このような、「ひょっとしたら結果が発生するかもしれないが、それでもよい」という認識を「未必の故意」といい、この場合にも故意が認められます。ミステリーが好きな方であれば、聞いたことがあるのではないでしょうか。

 故意については、もうひとつ「法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない」という条文があります。つまり、その行為が法律に違反したものであるかどうかを本人が知らなかったとしても、客観的に法律に違反した行為であれば、処罰されることがあるということです。
  過去の裁判例では、サンダル履きで自動車を運転することが県の道路交通規則で違反にあたることを知らずに運転した事案や、覚せい剤だとは知らなかったが、身体に有害で違法な薬物であるかもしれないという認識を持って密輸入をした事案について、いずれも有罪としています。

 次回は、「過失」について説明します。

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