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過失

 第9回目の今回は、「過失」について説明します。

 前回の「故意」の説明でも書いたように、原則として故意がない場合には罰せられません。しかしながら、交通事故などを考えてもわかるように、不注意によって人にけがを負わせたり、死亡させてしまった場合に、一切罰せられないのというのでは、あまりに不合理です。そこで、故意がない場合であっても、特別の規定がある場合には過失が認められれば処罰されると定められています。
  過失致傷罪、過失致死罪、業務上過失致死傷罪、重過失致死傷罪、自動車運転過失致死傷罪、失火罪などがこれにあたります。ちなみに、いずれも裁判員制度では対象外の事件です。

 事件の数としては、交通事故に関するものが多いのですが、裁判で争われることが多いのは、医療ミスとホテルなどの大規模火災です。
  いずれも、直接のミスを犯した者(看護婦や店員)とそれを管理する者(医師や店長・社長)が異なるケースが多く、管理者側の責任を追及できないかが検討されます。
  過去の事例では、業務量が非常に多く、連日残業をしなければならないような状況で現場作業員を勤務させ、それがミスを誘発したような事件や、人的・物的な防火体制が不十分であったため、大規模に延焼し、多数の死傷者が出た事件で、管理者の責任を認めています。

 次回は、「責任能力」について説明します。

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