サイト内検索:

共同正犯

 日常用語でも悪いことを一緒にしたときに「お前も共犯だ!」などと言われることがあります。刑法上は、(1)2人以上で共同して犯罪を実行した場合(共同正犯)、(2)他人をそそのかして犯罪を行わせた場合(教唆犯)、(3)自分は犯罪を行わないものの、他人の犯罪の手助けをした場合(幇助犯)の3種類に分けられています。
  今回は、上記のうち、共同正犯について説明します。

 典型的なのは、強盗に入ることを2人で相談し、準備をして、2人で押し入るような場合です。このような場合に、2人がともに強盗罪で処罰されるのは問題ないと思います。また、1人が相手を脅し、もう1人が金を奪うというように役割を分担した場合でも、ともに強盗罪で処罰されるのも問題ないでしょう。
  では、AとXが路上で口論になっていたところ、たまたま通りがかったAの友人Bが事情を察してXを羽交い絞めにし、Aが一方的に殴った結果、Xが重傷を負った場合はどうでしょうか。この場合、事前に相談をしたわけではありませんが、Bが羽交い絞めにした時点でAとBとの間でXを傷害することについての意思の連絡があったといえます。したがって、このような場合でも、AとBを傷害罪で処罰することができます。

 さらに、暴力団の組長が敵対する暴力団の幹部を襲撃するべく、実行方法や場所について構成員に指示し、襲撃行為は構成員のみで行ったような場合はどうでしょうか。この場合、組長は指示をしたのみで、犯罪行為そのものを実行したわけではありません。しかし、このような場合に、構成員のみを処罰しても、いわゆる「トカゲのしっぽ切り」になってしまい、正義に反する結果となってしまいます。
  類似の事例において、判例は「共謀に参加した事実が認められる以上、直接実行行為に関与しない者でも、他人の行為をいわば自己の手段として犯罪を行ったという意味において、その間刑責の成立に差異を生ずると解すべき理由はな」く、「実行行為に直接関与したかどうか、その分担または役割のいかんは右共犯の刑責じたいの成立を左右するものではない」とし、謀議に関与しただけの者についても共同正犯の成立を認めています。

 次回は、「教唆犯」について説明します。

« 第13回 未遂罪 | 目次 | 第15回 教唆犯»

ページトップへ