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その他共犯に関する話題

 第17回目の今回は、これまでの記事で取り上げられなかった共犯に関する話題をまとめて取り上げたいと思います。

 11回目の記事で取り上げたように、14歳未満の者が罪にあたる行為をしても罰せられることはありません(刑事未成年)。このことを悪用すれば、刑事未成年者に指示・命令をすることで、誰も罰せられることなく犯罪を実行することができるのではないでしょうか。
  是非弁別能力に欠ける幼児を使って、「公園のベンチの上に置いてあるカメラを取っておいで」と指示し、目論見通り幼児がカメラを持ってきたような場合、幼児が窃盗罪に問われないのはもちろんですが、指示した人はどうなるのでしょうか。このような場合、指示した人に窃盗罪が成立します。幼児はいわば「道具」として使われたにすぎないからです(遠隔操作のロボットを使って犯行を行った場合と同様です)。このような場合を「間接正犯」といいます。
  では、是非弁別能力がある少年(12歳程度)を使った場合はどうでしょうか。この場合、少年も悪いことをしているという認識がありますし、ある程度自己の判断で犯行を行うことが可能です。12歳10か月の長男に指示命令をして強盗を実行させ、長男も臨機応変に対処して強盗を完遂したケースで、奪ってきた金品を自分のものとした母親に対して、最高裁は強盗の間接正犯または教唆犯ではなく、共同正犯が成立するとしています。この場合、長男は「触法少年」として少年法の手続に従って処分を受け、母親のみが刑を受けることになります。

 次に、ちょっとしたクイズを。女性も強姦罪に問われることはあるのでしょうか?
  強姦罪は 「暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は~」と規定しています。姦淫とは性交のことであり、条文上、被害者を女性に限定しているため、男性から女性に対する強姦しか罪となりません。とすると、女性が強姦罪に問われることはないようにも思えます。
  強姦罪のように、一定の身分(強姦であれば男性であるということ)がなければ成立しない犯罪のことを(真正)身分犯といいますが(他に収賄罪における公務員の地位などがあります)、身分がない者が身分犯に加功した場合は、身分のない者も共犯とするという規定があります(65条1項)。したがって、男性と女性が共謀したり、男性が姦淫する際に被害女性の体を女性が押さえつけたりしていた場合には、女性であっても強姦罪の共犯が成立します。

 次回から、それぞれの罪について説明をしていきます。

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