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強盗罪(2)

 23回目の今回は、強盗致死傷罪など、裁判員制度の対象となる罪について説明します。

 裁判員制度の対象となるものは、強盗致死傷罪強盗強姦罪強盗強姦致死罪の3つです。いずれも、強盗犯人(未遂も含む)であることが成立の条件となるため、強姦の後に強盗の意思を生じて強盗したような場合には、強姦の時点では強盗犯人ではないので、強盗強姦罪は成立しません(この場合、強姦剤と強盗罪が成立します)。

 強盗致死傷罪は、(1)被害者を殺害して財物を奪取する場合(強盗殺人)、(2)被害者を傷害して財物を奪取する場合(強盗傷人)、(3)被害者を殺害する意思はなかったが、暴行によって被害者が死亡してしまった場合(強盗致死)、(4)被害者を傷害する意思はなかったが、暴行によって被害者を負傷させてしまった場合(強盗致傷)の4つの類型に分類することができます。
  殺意のある場合とない場合で、同じ罪が成立するのは違和感があるかもしれません。判例も、以前は強盗殺人について、殺人罪と強盗致死罪が成立するとしていましたが、現在では、強盗致死罪のみが成立し、殺意の有無は量刑の判断材料とされるにとどまっています。

 なお、上の例では説明をわかりやすくするために、強盗の被害者と死傷の被害者を同一人物として説明しましたが、強盗の被害者以外の者が死傷の被害者であっても、それが強盗の機会に発生したものであれば、強盗致死傷罪が成立する場合があります。たとえば、ひったくりの被害者の悲鳴を聞いて駆けつけた警備員を逮捕を免れるためにナイフで刺して殺害したような場合でも、強盗殺人罪が成立します。
  過去の判例では、金品奪取の際に、被害者の傍らに寝ていた子供を殺害した事例で、強盗殺人罪の成立を認めています。

 強盗強姦罪は、強盗犯人が強盗の現場または強盗の機会に女子を強姦した場合に成立します。こちらも、強盗の被害者と強姦の被害者は同一である必要はありません。さらに被害者を死亡させた場合には、強盗強姦致死罪が成立します。

 次回は、遺棄罪について説明します。

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