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強姦罪

 26回目の今回は、強姦罪について説明します。裁判員制度の対象となるのは、強姦集団強姦強制わいせつ等致死傷です。

 強姦罪の特徴は、被害者の告訴がなければ起訴することができないとされていることです(親告罪)。これは捜査や公判を通じて、犯行の様子や被害者のプライバシーに関する事柄が明らかにされることで、被害者により大きな心理的なダメージを与えかねないことからそのように定められています。ただし、加害者が複数の場合には、被害者の告訴がなくても起訴できるとされています。もっとも、その場合であっても、被害者の心情が考慮され、たとえば当事者の間で示談が成立したような場合には、先日の京都教育大のケースのように起訴が見送られることもあります。

 強制わいせつ罪強姦罪は、暴行や脅迫を用いて被害者を抵抗できない状態にして、わいせつな行為をすることで成立します。
  これに対して、(1)ニセ医師が治療と称してわいせつな行為をする、(2)ニセ警官が犯人の疑いがあるから身体検査をするといってわいせつな行為をする、(3)モデルになるために必要と誤信させて被害者を全裸にし、写真撮影する、といった場合には、被害者は暴行や脅迫を受けていませんので、強制わいせつ罪や強姦罪は成立しません。しかし、ニセ医師やニセ警官の言うことを信じ込み、心理的に抵抗できない状態になっている点では、強制わいせつ罪や強姦罪と共通した部分があります。そこで、このような場合にも、強制わいせつ罪や強姦罪に準じて罰せられるとされています(準強制わいせつ罪準強姦罪)。

 次回は、内乱罪・外患罪について説明します。

○Q&Aコーナー

Q 婦女暴行罪とは、強姦罪や強制わいせつ罪とは別の犯罪ですか?
A マスコミ報道などで使用されることが多い「婦女暴行罪」ですが、法律上、このような名称の犯罪はなく、強姦罪または強制わいせつ罪を言い換えたものとされています。被害者の心情などを配慮してのものと思われますが、他方で「暴行」という言葉が軽くとらえられることもあり、事件の重大性を見えなくしてしまっているのではないかという批判もあります。
Q 夫婦間でも強姦罪が成立することはあるのですか?
A 婚姻中においては、夫婦が互いに性交渉を求める権利ないしこれに応じる義務があるといえるため、通常は夫婦間において強姦罪が成立することはないとされています。しかし、戸籍上夫婦といえども、実際には婚姻関係が破綻しているような場合においては、上記のような権利・義務は認められないと考えられるため、強姦罪が成立すると考えられます。
  過去の裁判例では、婚姻関係が破綻していた妻を実家から無理やり連れ出し、暴行を加えて反抗を抑圧したうえで、他の男性とともに姦淫したという事例において、夫に強姦罪の成立を認めています。

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