サイト内検索:

飲料水に関する罪

 30回目の今回は、飲料水に関する罪について説明します。この罪は、人の飲料に供する浄水または水道を汚染したり、毒物を混入することで成立する罪です。

 「人の飲料に供する浄水」とは、不特定または多数の人が飲む可能性のある浄水のことをいいます。過去の事例では、井戸水や職場に置かれたポット、台所に置かれた水がめなどがこれにあたるとされています。特定の人が飲む浄水(たとえばコップに入った水)に毒物等を混入する場合には、傷害罪や殺人罪が適用されます。
  「水道」とは、浄水をその清浄を保たせて一定の地点に導く人工的設備のことをいい、地方自治体などが整備した水道のほか、集合住宅のように水道から受水槽にいったん水をため、そこから各戸に給水する仕組みになっている場合の受水槽も水道に含まれます。
  「汚染」とは、浄水を飲料として使用できなくする行為です。人の健康に有害なものを混入した場合は、毒物等の混入となりますので、人の健康に無害な方法で飲料として使用できなくする行為に限られることになります。過去の事例では、井戸水に食紅を溶かした水を投入し、飲料として使用できなくした行為について、浄水汚染罪の成立を認めています。

 裁判員制度の対象となるのは、水道に毒物等を混入し、よって人を死亡させた場合(水道毒物等混入致死罪)です。なお、工場等の排水を水道に混入させ、健康被害が発生した場合には、人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律によって処罰されます。

 次回は、通貨偽造罪について説明します。

« 第29回 出水及び水利に関する罪、往来を妨害する罪 | 目次 | 第31回 通貨偽造に関する罪»

ページトップへ