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組織的犯罪処罰法

 35回目の今回は組織的犯罪処罰法を取り上げます。組織的犯罪処罰法は、正式名称を「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」といい、平成11年に公布された比較的新しい法律です。

 この法律は、「組織的な犯罪が平穏かつ健全な社会生活を著しく害し、及び犯罪による収益がこの種の犯罪を助長するとともに、これを用いた事業活動への干渉が健全な経済活動に重大な悪影響を与えることにかんがみ、組織的に行われた殺人等の行為に対する処罰を強化し、犯罪による収益の隠匿及び収受並びにこれを用いた法人等の事業経営の支配を目的とする行為を処罰するとともに、犯罪による収益に係る没収及び追徴の特例等について定めることを目的」として制定されました(同法1条)。背景には、平成7年に発生した地下鉄サリン事件や相次ぐ暴力団抗争、暴力団による企業支配など、組織を背景とした犯罪が増加していたことが挙げられます。

 内容としては、団体の活動としてその構成員が罪を犯した場合に、通常の刑よりも重く罰することや、犯罪によって得られた収益や犯罪を犯すための資金などを没収することができることを定めています。暴力団絡みの事件が多いですが、2009年2月に健康寝具販売会社L&Gの会長らが組織的詐欺容疑で逮捕されるなど、組織的な悪徳商法にも適用されます。

 これらのうち、裁判員制度の対象となるのは、組織的殺人罪、組織的身代金目的略取罪です。通常の殺人罪は「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」ですが、組織的殺人罪は「死刑または無期もしくは6年以上の懲役」となっています。同様に、身代金目的略取罪は「無期又は3年以上の懲役」ですが、組織的身代金目的略取罪は「無期又は5年以上の懲役」とされています。

 組織的犯罪処罰法による検挙数は年々増加しており、平成15年に280人だった検察庁新規受理人数が平成19年には664人と2倍以上になっています。裁判員対象事件は年に数人程度ですが、組織的な詐欺罪や犯罪収益等の隠匿罪の人数が増えてきています。

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