サイト内検索:

流通食品毒物混入防止法

 41回目の今回は流通食品毒物混入防止法流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法)を取り上げます。2008年に冷凍餃子に毒物が混入され、食べた人が中毒症状を訴えた事件がありました。それを機に制定された法律のようにみえますが、この法律ができたのは昭和62年。制定のきっかけとなったのは、昭和59年から60年にかけて発生した「グリコ・森永事件」です。

 この事件では、「どくいり きけん」などと書かれた青酸ソーダ入りの菓子が何者かによって店頭に置かれました。毒物入りの菓子を食べた人がいれば、殺人(未遂)罪に問えるのはもちろんなのですが、この事件では、毒物が入っていることを明らかにしており、実際に食べて被害を受けた人はいませんでした。
  捜査機関は、一見して怪しいとわかる場合であっても、文字が読めない子どもなどが手に取り、食べてしまう可能性がある状態にしたからには、実行の着手が認められるとして、殺人未遂事件として捜査を行いましたが、同種の事件を防止するためには、食品に毒物を混入する行為そのものを処罰する必要があるとして、流通食品毒物混入防止法が制定されたのです。
 
  同法では、公衆に販売される飲食物に毒物を混入・添加・塗布する行為や、毒物が混入した飲食物を他の飲食物に混在させる行為を処罰しています(10年以下の懲役または30万円以下の罰金)。そして、これらの行為によって、人を死傷させた場合に、無期または1年以上の懲役に処するとしています。この流通食品への毒物混入等致死傷罪が裁判員制度の対象事件となっています。

 なお、流通食品を製造・輸入・販売する業者等は、流通食品に毒物が混入していることを知ったときは、直ちに警察官に届け出ることが義務付けられており、この規定に違反し、届出をしなかったり、あるいは虚偽の届出をした場合には、処罰されます(20万円以下の罰金)。

« 第40回 | 目次 | 第42回 核テロ処罰法»

ページトップへ