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結びにかえて

 これまで42回にわたってお送りしてきた「裁判員のための刑法入門」ですが、今回をもって最終回となります。

 この連載では、17回目まで刑法総論とよばれる部分を説明しました。そこでは、刑法上行為とされるのは、どのようなものなのか、そのなかで刑事責任を問われるのはどのような場合か、共犯とは何か、といったことを扱いました。次に、32回目まで刑法各論とよばれる、それぞれの罪について説明しました。そして、42回目までは、刑法以外の法律で裁判員制度の対象事件となっている罪について説明しました。

 分量的にみて、それぞれの罪についての説明に合計で25回を費やしており、多いようにもみえるかもしれません。しかしながら、裁判員制度の対象となっている罪は幅広く、また、殺人や強盗のようにイメージが付きやすいものだけではありません。今回の連載が、そういった耳慣れない事件が扱われたときの参考になればと思います。
  例えば、連載の中でも取り上げた覚せい剤取締法違反ですが、9月末までに裁判員制度の対象となった事件で起訴された全被告人のうち、全体の1割近い61人もいます。そして彼らは、無期懲役に処される可能性があるから裁判員制度の対象となっているのです。覚せい剤取締法違反が、そんなに厳しい罪だと初めて知った方も多かったのではないでしょうか。

 来週からは、「裁判員のための一口判例解説」と題して、過去の裁判で何が問題となり、それに対して裁判所はどのように判断して来たのかをコンパクトに説明する連載がスタートします。具体的な事件の中で、弁護士と検察官が何を争ってきたのか、できるだけわかりやすくお伝えしますので、引き続きご愛読をお願いいたします。

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