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死刑廃止日弁連宣言

 日本弁護士連合会は、10月7日に開催された人権擁護大会で、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を出しました。
 この宣言については、世論調査においてはいまだに死刑存続派が多数ではないのか、強制加入である日弁連においてそのような宣言を出すことは、死刑存続派の弁護士の意向を無視したものではないか、そもそも日弁連自体が、そのような宣言を出すことに問題はないのかといった様々な問題提起がなされています。
 以下はまったくの私見であることをお断りした上で、死刑制度について書いていきます。

 宣言は、死刑廃止の理由として、

  1. 死刑判決にも誤判のおそれがあること
  2. 死刑という刑罰に犯罪抑止効果がないこと

をあげています。
 ただ、犯罪抑止効果についていえば、他方では抑止効果があるとの調査もなされているようですから、一概にこれがないと決めつけるわけにはいかないと思います。
 一番の問題は誤判だと思います。確かに、死刑が執行された後で冤罪であることが明らかになっても、もはや取返しがつかないことに異論はないと思います。私は、その意味では死刑廃止に賛成です。

 ただ、宣言も認めているように、死刑に替わる刑罰を創設することが絶対条件であると考えます。
 被害者遺族の方の「是非死刑」をという気持ちも分かりますが、やはり、その加害者を一般社会に出さないでくれというのが多数の声で、何が何でも死刑というものではないのではないだろうと思っています。とすると、仮釈放を認めない終身刑(死ぬまでという一種の有期刑です)の導入こそが必要なのではないでしょうか。

 仮釈放については、刑法28条は有期刑については3分の1の経過、無期刑については10年の経過を条件としています。ただ、刑法14条によれば有期刑の最長は30年ですから、30年の有期刑の者と無期刑の者との仮釈放条件は等しいことになってしまい、私はこの点で刑法28条に疑問を持っています。
 しかも現実問題として、無期刑の者に仮釈放が認められるのは、概ね30年を経過した後との統計もありますので、仮に終身刑を導入した場合、仮釈放を認めない制度とするのが遺族の気持ちに配慮するものとしてよいだろうと思っています。

 他方で、受刑者の高齢化問題もあります。仮釈放を認めない終身刑を導入した場合、刑務所が老人ホーム化してしまう可能性があります。この点も非常に悩ましい問題です。私の気持ちとしても、死刑もやむなしかなと揺れてしまいます。

 さて、人権擁護大会での瀬戸内寂聴氏のビデオはお粗末の一言でした。「殺したがるばかどもと闘ってください」との発言は、この人本当に作家なのかとその品性を疑わせるものでした。
 日弁連執行部は、犯罪被害者に向けられたものではないと釈明をしましたが、どう考えても、「被告人を死刑にして欲しい」と切に訴えている犯罪被害者に対するものとしか理解できないもので、執行部の意識の低さにも驚きました。
 また瀬戸内氏本人も謝罪をしていますが、犯罪被害者に対する言葉ではないとしており、一概に信用できないというのが私の偽りのない印象です。

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