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携帯ゲームとお金 ~RMTによって生じる問題とは?~

 RMT(Real Money Trading)とは、ゲーム内アイテム・通貨等をゲーム運営会社以外の第三者から現金で買うことです。
ほとんどのゲーム運営会社はこれを禁じていますが、携帯ゲームをはじめとするオンラインゲームではRMTの利用者が後を絶ちません。
今回は、RMTによって生じる問題について説明していきます。

  1. 不正な日本円の流出
    アイテム等の売り手が海外の業者などである場合は、RMTで消費された日本円は関税が課せられないまま不正に海外流出することになります。
    そのため、海外マフィアの資金源になるおそれや、マネーロンダリングに利用される危険性が指摘されています。
  2. 不正アクセス禁止法違反(不正アクセス禁止法3条)
    RMTで稼ぐには、まず売り手側が、売買の対象となるゲーム内アイテムや通貨を大量に集めておかねばなりません。
    しかし、正規のやり方で集めたのでは儲けが薄くなるため、RMT業者などはしばしば、ゲームソフトを改ざんしたり、不正ツールを利用するなどの方法をとっています。
    「不正ツール」というのは、通常操作ではなし得ないデータを混入したり、ゲームを自動操作したりする不正なプログラムのことです。

 不正アクセス禁止法3条は、アクセス制限機能が付いたコンピュータにネットを通じて不正にアクセスする行為を禁じていますが、ゲームソフトの改ざんや不正ツールによって、アクセス制限を突破したり、回避した場合は、この「不正なアクセス」にあたります。

 このほか、RMTの派生形と考えられているのが「プレイ代行」です。
自分のプレイしていない時間にIDやアカウントを第三者に貸し、代理プレイを依頼して、そこで獲得できたアイテム等に対価を支払う仕組みをいいます。
これが本人の承諾の範囲内で行われていれば問題ないのですが、承諾の範囲を逸脱した場合(たとえば、相手(プレイ代行業者)にそのままアカウントを乗っ取られた、そもそも承諾がなかったなど)は、権限のない者による「不正なアクセス」となり、やはり不正アクセス禁止法3条に抵触します。

  1. 電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法234条の2)
    聞き慣れない罪ですが、「電子計算機」とはコンピュータのことですから意味は簡単。
    業務用コンピュータやデータを壊したり、虚偽のデータ・不正な指令を与えたりして、コンピュータの正常な動作を邪魔し、業務を妨害することです。
    従来の業務妨害罪(刑法233条)・威力業務妨害罪(同234条)のコンピュータ版といったところでしょうか。
    前述のゲームソフト改ざんや不正ツール使用によって、ゲーム運営会社のサーバの正常な動作を妨げたような場合は、本罪も成立すると思われます。
  2. 詐欺罪(刑法246条)
    人を騙して金銭等の財物を手に入れる行為は詐欺罪です。
    RMTのために金銭を振り込んだものの、相手がアイテム等を渡さない場合はこれにあたります。

 
以上のように、RMTは経済、ゲーム運営会社、ユーザーと、色々なところに影響を及ぼすようです。
RMTが禁止されている場合はもちろん取引に応じてはいけませんが、禁止されていない場合であっても、取引前に一度はこうしたリスクがあることを思い出してください。
次回は、コンプリートガチャを題材に、RMT自体が抱える違法性について考えます。

credit:CarbonNYC via photopin cc

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