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携帯ウイルス3 ~ウイルス作成等罪が疑われたものとは?~

 電子媒体による情報管理が進んだ現代では、コンピュータウイルスの影響は非常に深刻です。

 そこで、平成23年7月、情報の破壊・窃取など、ユーザーの意図通りの動作を阻んで不正な指令を与えるプログラムを「コンピュータウイルス」とする、いわゆる「ウイルス作成罪(正式には「不正指令電磁的記録作成罪」。刑法168条の2)」ができました。
 これにより、かつては著作権法違反や器物損壊罪などで間接的に対応するしかなかったウイルス作成行為を、直接取り締まれるようになりました。
 また、同条2項では、こうしたウイルスを人のコンピュータで実行させた者も、供用罪として同様に罰すると示されています。

初のウイルス作成罪適用

 初めてウイルス作成罪が適用されたのは、コンピュータウイルスを駆使して他人から脅されているように自作自演した男。

 この男は、当時トラブル関係にあったサイトの共同運営者Aに対し「あなたの個人情報がサイトに書き込まれている」とサイトURLを記したメールを送り、Aに確認を促しました。
 ところが、そのサイトにはウイルスが仕掛けてあり、閲覧者が勝手に男の運営するサイトに脅迫文(「ブログを閉鎖しなければ、両親を殺して家を燃やす」といった内容)を書き込む状態にしてあったのです。
 実際、Aはこれにひっかかり、ウイルスによって男の運営するサイトに勝手に書き込みさせられてしまいましたが、捜査過程で脅迫の被害者である男がこのウイルスを作成したことが判明し、ウイルス作成罪で送検されることになりました。

ウイルス作成・供用罪が疑われた「カレログ」

 一時話題になったのでご存知の方も多いと思いますが、「カレログ」はスマートフォン向けアプリで、特定の人の携帯端末にインストールすることで、その人の動向を把握するものです。
 起動履歴、GPSによる行動追跡、バッテリー残量の確認といった機能のほか、会員グレードによっては通話記録やアプリの一覧まで閲覧できる仕組みになっていました。
 こうした機能に加え、アプリ表示を偽装するなどして対象者に気付かれにくい工夫が施されていたため、当アプリがウイルスにあたるのでは?という声が多く寄せられたのです。

 この点、法務省担当官の見解によれば、カレログのような機能をもったプログラムは、悪用を前提に作っていないのであれば通常はウイルスにあたらないものの、プログラムをを悪用する会社や、悪用する個人(カレログでいうところの「彼女」)だけを対象に販売する場合はウイルスにあたる危険性があるとされました。
 また、情報を取られる側である対象者が、そのプログラムが入っていることを認識しているのであれば「不正」とはいえず、ウイルスにもあたらないけれど、知らないうちに情報を抜き取られるなど、プログラムが対象者の意図に反する動作をする場合は「不正」なウイルスと評価される可能性があるとも指摘されています。

 ちなみに現在「カレログ」は、情報取得に対象者の同意を必要とするプログラムに改められていますので、こうした問題は回避されています。

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