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申告の一部に虚偽を含む自首の成否

~最高裁平成13年2月9日決定~

 罪を犯しても、自首刑法42条1項)すれば、減刑の可能性があるというのはよく知られた話ですよね。
 刑法上、自首というのは「犯罪事実や犯人が捜査機関に知れる前に、捜査機関に対して、自発的に自らの犯罪事実を申告すること」ですが、その申告内容の一部に嘘がある場合はどう評価されるのでしょうか。

 被告人である暴力団幹部Xは、対立する暴力団組事務所前の路上で拳銃1丁と実弾4発を所持し(加重所持罪銃砲刀剣類所持等取締法3条1項31条の3第1・2項)、同組事務所に向けて銃弾4発を発射しました(発射罪同3条の1331条)。
 Xは、犯人であることが捜査機関に発覚する前に警察署に出頭し、組事務所に発砲したと述べましたが、その際、発射を装う偽装工作を施された拳銃(本当は犯行に使っていないもの)を持参し、これを犯行に使用したと偽りの供述を行いました。

 1審・2審の判断は、ともに加重所持罪と発射罪について自首の成立を認めないというものでした。
 そのため、弁護人が自首の成立を主張して上告したのです。

 最高裁は上告を棄却。
 Xは、捜査機関に発覚する前に自ら犯罪事実を捜査機関に申告したのだから、その際に使用した拳銃について嘘の事実を述べていたとしても、自首は成立すると示しました。
 内容はともかく、刑法42条1項に示された自首の条件を満たしていれば自首と認めてよいという判断です。
 しかし、Xに対して自首を理由とした刑の減軽をするのは不相当として、Xに自首の利益を与えることは許しませんでした。

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