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ホームレス寝場所

 10月4日に、大阪市は天王寺公園通路の夜間閉鎖を開始し、結果的に通路で夜を過ごしていたホームレスの退去につながることとなりました。
 過去にも東京渋谷区の宮下公園が閉鎖されて、ホームレスの寝場所やボランティアによる炊き出しができなくなるということもありました。

 さて、ホームレスとは、どのように定義されているのでしょうか。
 この点につきましては、ホームレスの自立支援等に関する特別措置法というのがあり、その2条で、「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者をいう。」とされています。この条項中に「故なく」との文言が使用されています。
 かつての刑法では「故なく」との文言が使用されていましたが、現在では「正当な理由なく」との平易な文言に改正されています。改正後の文言でも明らかなように、「故なく」とは、「正当な理由なく」つまり、「違法に」ということです。

 そこで、先の特別措置法を考えますと、「都市公園などを違法に起居の場所としている」ということになります。何かここに行政の上から目線といった意識がまざまざと現れているなと思うのは私だけでしょうか。

 また、同法1条は、「自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされた者」という文言があります。この文言によると、ホームレスには、自立の意思がある人とそうでない人とがいることになります。
 特別措置法は、そのように自立の意思がある人もいるのだが、意思の有無はたやすく分かるものでないことから、両者を区別することもできないし、すべてのホームレスの人の助けとなるようにしましょうという法律です。

 一見すると立派な法律ですが、そうでしょうか。
 厚生労働省の調査によりますと、ホームレスの数は激減しているようです。しかし、これは実態を正確に反映しているとはいえないでしょう。
 というのも、国によるホームレスとは「都市公園などを故なく起居の場所としている者」ですから、ネットカフェやファーストフード店で寝起きしている人がカウントされていないからです。ここに数字のマジックがあります。

 ところで、ホームレスの寝場所や食事の問題については、ボランティアの方々の努力で何とか一助となっている状態です。
 公的財源には限りがありますから、なかなか公的支援が行き届かないことも分かります。また、近隣住民の不安や自宅などの財産的価値の低落という問題もあります。

 ホームレスは納税などの義務を尽くしていないから権利も制限されてしかるべきだという極めて乱暴な意見もあります。ホームレス問題をいかに解決していくかはかなり困難な問題です。

credit:写真素材ぱくたそ

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