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親権 (3)

親権(3)

親権の判断基準のご説明を致しましたが、父親だからといって母親よりも子への愛情が薄いとは限らず、互いに譲らないことの多い問題です。そこで、一般的なケースでのトラブル対処法を、今回は簡単にご紹介します。

(1)10歳以上の子の親権を望む場合。
10歳以上の子の場合、個人差はありますが、子の意思がはっきりとしていますので、親権争いとなることは比較的に少ないです。転校や氏の変更などの伴うことが多いですので、子の意思を確認するように、相手に伝えてみて下さい。
(2)10歳未満の子の親権を望む場合。
子が意思表示をしている場合でも、幼いですので、その時の感情で変わることが多いです。したがいまして、子が意思表示をしていましても、「幼い子は虐待などの特段の事情が無ければ、母親と暮らすことが望ましいと実務では考えられている」との説得を試みて下さい。
また、約8割のケースで母親が親権者となっていますので、そのような資料を見せることも効果的です。
(3)家の跡継ぎとして親権を望む場合。
「子の氏を変更しないことも可能であること」や、「親権者は子が成長した時点で、子の意思に従い変更することもあり得ること」、「親権がなくても、子の相続権は消滅しないこと」などを話し、説得してみて下さい。
(4)身上監護権を除く親権を望む場合。
男性が「財産管理権」のみの親権だけを残したいと主張している場合は、親権が無いと親子でなくなると勘違いをしている可能性が高いです。親権がなくても親子関係は消滅せず、親権者に不幸などがあった際や、子が成長して父親との生活を希望した際は、離婚後であってもピンチヒッターとして親権者となり得る地位にありますので、その旨を説明してみて下さい。

その他、養育料の交渉で「養育料を請求するなら親権を争う」などと、単に交渉のために主張してくるケースもありますが、そのような者が親権者となることが「子の福祉」に適しないことは、言うまでもありません。

※ このコラムの内容で損害が生じても責任を負いません。
※ このコラムは2007年4月に執筆、2008年4月に改定されたものです。

執筆者 行政書士 夛治川 満之
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