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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第258号

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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2005年12月13日                         第258号
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発行部数:25,539部(まぐまぐ 17,045部、melma! 6,653部、RanSta 1,831部)
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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第247回
    「仕事中、作業車を破損。修理費を給料から天引きできる?」
    http://www.hou-nattoku.com/consult/457.php

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 皆で考えよう、法の建前と現実 第12回
    「国民年金制度について」
    http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/12_n_pension.php

  □ なっとく! ランキング

  □ 編集後記 「旅立つとき」



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■ なっとく!法律相談 第247回
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 「仕事中、作業車を破損。修理費を給料から天引きできる?」


 □相談□

  造園会社に勤務しています。先日、元請けの会社から依頼され
 た仕事で、移動式クレーン車を運転していたところ、クレーンの
 ブームが折れてしまいました。クレーンの先に吊るした擁壁が重
 すぎたようです。
  クレーン修理代金として、勤務先に70万円が請求されました。
 そして、会社は私に半額の35万円を請求してきました。「来年の
 給料から分割で天引きする」というのですが、私に支払義務があ
 るのでしょうか?
                        (30代:男性)


 □回答□

  請負契約に伴い、元請会社が下請会社に仕事に必要な工具を提
 供した場合、当該仕事に適した工具が適切に提供されていたか、
 すなわち故障や瑕疵のないものが提供されていたかが、まず問題
 となります。
  元請会社が下請会社に貸し与えた工具が、元請会社の故意・過
 失により不十分な性能しか備えていなかったものであった場合、
 そもそも下請会社に責任は発生せず、したがって、あなたが会社
 から請求を受けることもありません。かえって、元請会社が下請
 会社に損害を賠償しなければならない可能性があります。

  一方、工具に仕事の遂行に十分な性能があり、かつ瑕疵もなかっ
 たが、下請会社の使用方法が不適切で工具が破損した場合には、
 下請会社は損害を賠償しなければなりません。
  今回のご相談では、それが70万円だということですが、その一
 部分を労働者に求償することは、原則としてできない、と考えま
 す。
  労働者と使用者は雇用契約を結んでいて、その契約に従って、
 あなたは労務を提供し、会社は労働環境を整え、賃金を支払いま
 す。契約当事者としての権利義務を負うことは、普通の契約と同
 じであり、不法行為により相手方に損害を与えた場合に不法行為
 責任を負うことも同じです。

  しかし、労働者が正当な方法で労務を提供したにもかかわらず、
 結果的に損害が発生した場合にまで労働者に責任を追及できると
 すると、社会的弱者である労働者は、安心して労務の提供をする
 ことができなくなります。
  したがって、会社はあなたに賠償責任の半分を負担させること
 はできないと考えます。

  また、会社があなたに損害賠償責任を追及できるような場合で
 も、損害金を給料から天引きすることは許されません。
  労働基準法は「全額支払いの原則」を定めており(労働基準法
 24条)、労働者の生活の資である賃金は、その期間分(月給制な
 ら1ヶ月分)を全額労働者に支払わなければならないとされてい
 ます(ただし、税金や、労使協定で定められたものについてはこ
 の限りではありません)。
  その場合、会社は一旦賃金を支払い、損害については労働者に
 別途請求するか、労働者の同意を得て賃金から差し引くことにな
 ります。


 [関連情報]
  ・給料から損害賠償の天引きは可能?
   http://www.hou-nattoku.com/consult/84.php

  ・賃金「全額払いの原則」
   http://www.hou-nattoku.com/consult/273.php

  ・仕事場での事故
   http://www.hou-nattoku.com/shokuba/rosai1.php

  ・借金返済のためにホストクラブで働かされる!
   http://www.hou-nattoku.com/consult/410.php



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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報 ( 05/12/07 ~ 05/12/13 )
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。

 12月12日 免許取消前の聴聞に弁護士が同行すると欠格期間が短縮?
                         (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/consult/456.php

 12月 8日 妻がテレクラを使って売春!罪にならないの?
                         (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/consult/455.php


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■ 皆で考えよう、法の建前と現実
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   第12回 : 国民年金制度について
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  先週からスタートした「国民年金制度」についてのアンケート
 ですが、今週からはアンケートの途中経過といただいたご意見の
 中からいくつかピックアップしてお送りします。


 ▼アンケートの途中経過(投票総数: 640票)

  設問:公的年金制度は必要か。

  1. 必要。改善すべき点は受給額の減少である
  2. 必要。改善すべき点は保険料負担の増大である
  3. 必要。改善すべき点は1号ないし3号の格差である
  4. 必要。改善すべき点は未納者への対処である
  5. 不要。個人年金保険で代替する
  6. 不要。投資信託で代替する
  7. 不要。不動産への投資で代替する
  8. 不要。貯蓄で代替する

  1. || 23票 (4%)
  2. || 22票 (3%)
  3. ||| 34票 (5%)
  4. |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 507票 (79%)
  5. || 28票 (4%)
  6.  3票 (0%)
  7.  0票 (0%)
  8. || 23票 (4%)

                  (12月13日 12時30分現在)


 ▼いただいたご意見(読みやすいように一部編集しています)

 【必要。改善すべき点は受給額の減少である】

 ・年金を集めてる所が多くの不正を働き恥ずかしい。
  日本の恥である。
  これからどんどん未納者が増え回収するのは不可能、国民年金
  制度の崩壊は時間の問題。
  既に年金受給者は今のままで、65歳未満の納付者には納付額を
  返金して、制度自体の根本的見直しが早急に必要と思われる。
  郵政民営化も大事だけが、年金制度改革はもっと大事。
  早く目を覚ましてほしいものです。
                        (40代・男性)


 【必要。改善すべき点は1号ないし3号の格差である】

 ・年金制度については、不公平感が非常に問題だと思う。
  ある人はほとんど掛け金を払わなくて年金の利益を享受でき、
  ある人は沢山払っても少ししか教授できない。
  また、加入時には「60歳から支給」と言っていたのに突然「65
  歳から支給」というのは、いわば詐欺行為である。
  更に言うと、今現在「若者の未納が問題」という人はおそらく
  50代より上の方々で、「もうすぐ貰える」位置にいる人たちだ
  け。未納している若者が受給年齢になったときの事を誰も考え
  てないのに、若者だけに「払え」というのは虫が良すぎる。破
  綻必至なのに負担だけしろと言う人たちは無責任である。
                      (30代後半・男性)


 【必要。改善すべき点は未納者への対処である】

 ・年金問題は将来において絶対に必要な制度であると考えるが非
  常に難しく、不公平を改善しようとすると別の不公平が発生し、
  バランスをくずすようになるところがある。
  当面の緊急課題はやはり未納問題だと思う。これは支払わない
  人がいるので不公平だというのではなく、未納者には支払われ
  ないという現行制度自体が実は問題としては大きいのではない
  かと思う。
  未納者が年金をもらえなければたちまち生活に行き詰まる人が
  出てくる。現在年金の支払いをしている人でも受け取れる年金
  額は現在の生活保護のレベルでしかないことを考えると、未納
  の人に生活保護を与えるとそれは自己責任の原則から見て不公
  平である。しかし、逆に生活保護すら与えられなければ人権問
  題でもある。
  年金を税制度に置き換えるという考え方もあるが、少子化のた
  めに支払う税金が高額になるうえに、それを広く薄く分配する
  とすれば生活保護にも満たない年金額になりかねない。
  2つの方法を提案したい。現在の制度を離脱できる制度を設け、
  自己責任で個人年金を充実できるものを作る。個人年金の額は
  現在の制度と違って掛け金は自由であるが、受給できる金額は
  支払いに見合ったものとする。現在の制度からは積み立て方式
  で換算して、支払った資産をその個人年金に移転できるように
  する。
  未納の人の中には散財により消費税をしっかり支払った人もい
  ると考え、消費税の支払いによる貢献分という積み上げ部分を
  評価する制度を設ける。それを根拠として年金の支給には応じ
  るものとする。ただし、そのためには現行の消費税率を20%く
  らいには上げてもらわなければならない。
                        (40代・男性)

 【不要。個人年金保険で代替する】

 ・以前は支払っていましたが、自分自身がもらえるはずの年齢に
  なったときに、もらえる見込みのない年金を支払っているのが
  バカバカしくなったので民間企業の個人年金に切り替えました。
  議員年金の問題や少子化の問題、年金の運用の不透明さやムダ
  使い…などなど、年金に関しての解決しなくてはいけない問題
  を解決せずに先送りしている今の状況が打開され、確実に自分
  が支払った年金が元本割れせずに戻ってくるというのなら未払
  いなんてなくなると思いますが…。
  郵政民営化も大事なんでしょうが、年金問題の方も急いで改革
  する必要があるのではないでしょうか?
                      (30代後半・男性)


 【不要。貯蓄で代替する】

 ・確かに今の私の世代が、今の老人の年金を支えているのはわか
  ります。ですが私たちの納入した年金は私たちの元に戻ってく
  る保証は今、まったくないといって等しいのではないでしょう
  か?
  では私たちは年金をいまの老人のためと捨て、自分達の老後は
  自分達でなんとかしろということですか?
  ならば自分の納入したお金が年金として戻ってくるという今の
  年金制度ならば、貯蓄で充分なのではないでしょうか。
  年金制度を詳しく知っているわけではないので出すぎた意見な
  らば申し訳ありません。
  ですが私は年金を納めておりませんし、今後収める気もありま
  せん。
                      (20代前半・女性)

 ・自分のことは自分で何とかするべき。
  本当に助け合えるのなら理想ですが、実際は無理です。
  私は会社から払っていますが、義務だから払っているのであっ
  て助け合いの精神などありません。
  60歳からの受給が65歳からと平然とやってのけたように、きっ
  とまた平然と詐欺行為を働きます。
  私が65歳になったときにはきっと年金は貰えない。
  お金は戻ってこない。払い損。
  問題は少子化や若い世代の未納よりも政治家達の使い込み。
                      (10代後半・女性)


  今回は6名の方の意見を掲載させていただきました。
  この他にも多くのご意見をいただいています。刻々と変化する
 アンケート結果やその他のご意見を読みたい方は、

  http://www.hou-nattoku.com/enq/view_opinion.php

 にアクセスしてみてください。引き続き、ご意見お待ちしており
 ます。
 
 >> http://www.hou-nattoku.com/enq/



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■ なっとく!ランキング ( 05/12/04 ~ 05/12/10 )
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 第1位 「返すのはいつでもいい」と言われ借りたお金、返すのはいつ?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/454.php

 第2位 妻がテレクラを使って売春!罪にならないの?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/455.php

 第3位 NHKの受信料問題
     http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/01_nhk.php

 第4位 盗難の証拠がなくても被害届を出せる?
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 第5位 年末調整って何だろ
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■ 編集後記 「旅立つとき」
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  後輩が職を辞し、新しい世界に踏み出すことになった。
  辞める理由のひとつに、「30才までに、これこそと思える職に
 就きたい」という思いがあるらしい。
  私も若かった頃、ちょうど彼くらいの年頃、同じ思いを強く持っ
 たことを懐かしく思い出した。

  若い時は、高校卒業までに(──例えば、浪人しないで大学に
 入りたい)、大学卒業までに(──例えば、就職したい)、而立
 (じりつ)までに(──例えば、結婚して家を持ちたい)…等、
 キリの良い所で目に見える成果を得たい。
  希望に幾許かの焦りが混ざったその気持ちは自然なものだし、
 そうあればこそ、試練多き人生を渡っていけるのだとも思う。

  しかし、年齢を重ねるごとに、人生そんなものではないと、はっ
 きりしてくる。
  日々の積み重ねだけが人生であって、卒業とか、年齢とか、そ
 んな衝立(ついたて)は自分が作った想像であること、しかも、
 当人の性格にもよろうが、多くの場合、そんなことを意識しない
 ほうが快適だったというシロモノに過ぎない、ということが分かっ
 てくる。
  私も、意識しないほうが良かった、と思う。もっともっと、何
 ものからも自由に生きればよかった、と。

  夏目漱石は、芥川龍之介にあてた手紙で、

 ──牛にならなければいけません。人は皆、馬になることを学ぶ
   が、急いではいけません。頭を悪くしてはいけません──

 という意味のことを書いている。

  初めてこの書簡を読んだときは、本当に感動した。そして一言
 一句、正確に覚えていたが、今では忘れてしまった。
  もう急がなくなったから。多分、そうに違いない。
                          (ありま)

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監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 中西 啓
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