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その方法で殺せますか?― 不能犯の成否


その方法で殺せますか?― 不能犯の成否に関する記事一覧

その方法で殺せますか?― 不能犯の成否 第十回

第10回 判決まで  あつ子と麻美は殺人未遂罪の現行犯人として逮捕された。発覚したのは、あつ子がトイレに行ったことが、巡回の看護士から担当医に連絡されたためである。   最近のあつ子の顔色が悪... 続きを読む


その方法で殺せますか?― 不能犯の成否 第九回

第9回 実行の着手  看護ステーションには、終夜、交代で看護士が待機することになっている。しかし、早番遅番が交代するときと、見回りの出入り・引継ぎをするとき、空隙ができる可能性があった。   ... 続きを読む


その方法で殺せますか?― 不能犯の成否 第八回

第8回 計画  次の日、麻美は再び姿を見せた。そして、詳細に方法を説明した。   静脈に空気を注射すると、空気は静脈に乗って運ばれ、肺に至る。そして肺循環の低下を起こす。医師は肺機能の不全によ... 続きを読む


その方法で殺せますか?― 不能犯の成否 第七回

第7回 ある提案 「よく考えといてよ。明日また来るから」  そういい捨て、麻美は談話室を出て行った。残されたあつ子は金縛りにあったように、席を立てなかった。   どのくらいそうしていただろうか... 続きを読む


その方法で殺せますか?― 不能犯の成否 第六回

第6回 娘の来院 「麻美?」 老人は麻美に見下ろされ、慌てて廊下に去った。娘は夫に似て大柄であった。美人とはいえないが派手な好みで、今日も場違いな緋色のコートに身を包んでいた。 「どこにでもいるのね... 続きを読む


その方法で殺せますか?― 不能犯の成否 第五回

第5回 病室にて  夫の病室は、2階の3人部屋であった。   大部屋に移れば差額ベッド代が要らない、と思うこともある。だが、大部屋ではベッドとベッドの間隔が狭いうえ、仕切りは乳白色の薄いカーテ... 続きを読む


その方法で殺せますか?― 不能犯の成否 第四回

第4回 介護の光景  夫が入院する病院は、高齢患者を対象とした療養医療を提供する、いわゆるコミュニティタイプである。   初めて倒れたときに運び込まれた救急病院では、「長期入院は3ヶ月までしか... 続きを読む


その方法で殺せますか?― 不能犯の成否 第三回

第3回 病状  しかし、次の年、再び夫は倒れた。今回の入院は半年間に及んだ。  「3回目はキツイですよ。気をつけてください」  退院を前にしたある日、担当医は言った。  「キツイって、・・どういうこと... 続きを読む


その方法で殺せますか?― 不能犯の成否 第二回

第2回 卒倒  あつ子と夫の間には、一男一女がある。麻美というのは長女の名であった。   麻美は地元の大学を卒業した後、証券会社に勤めていた。しかし、一年と経たずにリストラで失職した。教育費の... 続きを読む


その方法で殺せますか?― 不能犯の成否 第一回

第一回 病院へ  2月初旬のある朝、野木地あつ子(64歳・専業主婦)はJR線S駅に降りた。   S駅は、中部地方の大都市O市のベッドタウン・S市の中心部にある。そのため、朝夕はO市への通勤客で... 続きを読む

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