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変革の時代の人事戦略 (2) ?自立した組織とサイクル?

社会保険労務士 福岡事務所 福岡 千薫子 先生

 前回最後の問題で、「具体化された戦略」をすばやく実行していくためには、何を動かさないといけないでしょうか?という答えは、「人」であると考えます。

 超不況といわれる経済状況下で、経営環境も大きく変化しています。

 かつて多くの事業では、利権の確保や規模の拡大、特定の技術であったりすることが多かったのですが、こうした戦略では、中長期的に競争上の優位性を維持するのが難しいケースが増えてきました。デジタル化やIT化の急速な進展により、競争のスピードを飛躍的に速め、戦略的な意思決定と実施のスピードが、大変重要となってきました。目に見える、見えない競合他社とも競争しなければならない時代です。

 商品そのものの価値だけでなく、顧客のソリューション(使用価値)を十分に考えなければなりません。

 追いつけ追い越せの単純なマネジメントやピラミッド型組織ではついていけない時代で、企業にとって必要なことは、第一線で活躍する組織や従業員が、いかに自立的に積極的に仕事に取り組んでいけるかということではないでしょうか?

 このところ、2、3日に一回は成果主義導入という新聞記事を目にします。従来の成果主義賃金制度の精算型評価にみられる失敗は、成績・結果に大きく注目したために、目先の結果にこだわり、社員からも不平不満が多く、会社も短期的志向しかもてなかったところです。こういった人事制度が企業体力を衰退し、今は、大きな節目を迎えて新たに模索している段階ともいえるでしょう。

 人事制度は、あくまで経営戦略実現のためのツールでありますが、また同時に従業員満足の為のツールでもあります。

 そして、人事制度は導入するだけでは活きてきません。運用することに価値があると考えます。制度導入後にいかに運用に落とし込み、実践し続けていくかを考えなければなりません。

 一番忘れてはいけないことは、「いったい何のための、誰が使うものなのか?」ということなのです。単に処遇や賃金を決めるためだけで、フィードバックや育成にもつながらないのであれば、それは単なる点にすぎません。点が線で結びつき、一つのサイクルにつながってこそ価値あるものだと思います

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