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著作権2

(3) 著作権が認められるのは誰か?

 著作権は原則として著作者に帰属します(著作権法17条1項)。そのためには著作物を自ら創作したことを証明すればよく、登録等の手続は不要です(17条2項)。

 手続が不要ということは一見便利なようですが、実際に紛争になった場合には、その著作物は確かに自分が創作したということを証明する必要があり、その証明は意外に困難です。そこで、紛争を防止するために、著作権法は以下の規定をおいています。

著作者の表示 (14条
 著作権法14条は、「著作物の原作品に、又は著作物の公衆への提供若しくは提示の際に」、実名または変名(ペンネームなど)として周知のものが著作者名として通常の方法により表示されている場合、その者を著作者であると推定するとしています。
 したがって、著作者の表示をしておけば、仮に紛争になった場合でも、相手方のほうで著作者が誰であるかを証明しなければならなくなります(立証責任の転換)。
 

○ 「著作者」に関するQ&A

Q.

 大学の教員をしています。先日、出版社から「年金問題をテーマに本を書いてもらえませんか」との申し出があり、執筆することになりました。ただ、私はワープロが使えないので、原稿の内容をテープに録音し、それを研究室の学生にワープロ打ちしてもらうことにしました。この場合、著作権は誰のものになるのでしょう?

A.

 この場合、著作権はあなただけにあると考えられます。

 確かに、出版社は本のテーマについて提案をしていますが、「年金問題」というだけでは漠然としすぎており、独立した著作者として認められるほどの創作性はないと思われます。なお、より詳細な章立てや内容についても指示されているような場合には、誰に著作権があるか問題が生じる可能性があります。

 また、ワープロ打ちした学生についても、学生は機械的にあなたの考えを文字に変換しているだけですので、学生本人には創作活動が認められません。よって、著作権は認められません。

Q.

 出版社で雑誌のライターをしています。私が書いた記事について、私に著作権はあるのでしょうか?

A.

 著作権法15条は、職務上作成する著作物の著作者について定めています。プログラムの著作物(同条2項)とそれ以外(同条1項)で扱いが異なり、あなたの場合、1項の要件を満たすかどうかで著作者が誰であるかが決まります。

 同条1項は、以下の要件を満たせば、使用者である法人等が著作権者となることが定められています。

  1. 著作物が使用者の発意に基づいて作成されたものであること
    * 「発意」とは、著作物作成の意思が使用者の判断にかかっていることを意味し、必ずしも使用者側が先に提案する必要はありません
  2. 法人等の業務に従事する者が作成したものであること
    * 「業務に従事する者」とは、法人等と雇用関係にある従業員、法人等の役員を意味し、外部スタッフは含みません
  3. その者が職務上作成した著作物であること
  4. 法人等が自己の著作の名義のもとに公表する著作物であること

 以上の要件を検討すると、あなたの場合は、会社が著作者となると考えられます。なお、就業規則等で著作者の定めがある場合には、そちらが優先されます。

 プログラムの著作物の場合は、上記4.の要件は不要です。

○ 今回のまとめ

  • 著作権は原則として著作者に帰属します。登録などの手続は不要です
  • 職務上作成する著作物の著作者については特別の規定がおかれています

 次回は、著作権者に認められる権利について説明します

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