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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第126号

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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2003. 4.15                           第126号
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 発行部数:14,201部(まぐまぐ12,152部、melma!2,049部) 毎週火曜日配信
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■ 目 次
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  □ 法律クイズ「知ってるつもり!」 第9回

  □ なっとく! 法律相談 第114回
     ~ 勝手に離婚届を出したら犯罪!? ~

  □ 士(サムライ)業の仕事と活躍 第46回
     ~ 借りた金? (2) ~

  □ なっとく! ランキング

  □ 編集後記


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■ 法律クイズ「知ってるつもり!」 第9回
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  A男は、B子に30万円を借りていた。
  B子の知り合いのC男はその事実を知っていた。C男は、
 遊び金欲しさに、A男の自宅を訪問し、自分はB子の代理
 人で、B子から借りているお金を返してもらいに来たと告
 げた。
  A男は、C男が、かねてからB子から聞いていた彼氏だ
 と思い、C男に30万円を手渡した。

  C男が勝手に取り立てたことなど知らないB子はA男に
 30万円を返済するように告げた。

  A男は、B子の請求を拒むことができるか?

  (1) 拒むことができない。Cが勝手に取り立てたことは、
    Bにとっては全く関係のないことである。AはBに
    も30万円を返済する必要がある。

  (2) 拒むことができない。Bは、Aから30万円の支払い
    を受けることができる。Aは、まずCに30万の返還
    を請求し、Bに返済すればよい。

  (3) 拒むことができる。ただし、Bに何らかの落ち度が
    ある場合に限る。たとえば、Cのことを信用してい
    るわけでもないのに、貸金の事実を伝えたことなど
    である。

  (4) 拒むことができる。Bは、Cから取り立てればよい。
    ただし、AがCを信用したことに不注意があった場
    合は、Bからの請求を拒むことができない。

  (5) 拒むことができる。AがBを信用したことについて
    不注意があるかどうかは問わない。自分が債権者だ
    という者への弁済をとりあえず法的に保護しなけれ
    ば、円滑な経済活動を阻害する。

  *正解は、巻末にて。


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■ なっとく!法律相談
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   第114回 「勝手に離婚届を出したら犯罪!?」

 □相談□

  妻と別居して6年が経過しました。
  妻が過大な慰謝料を要求して離婚に応じないため、三文
 判を使って離婚届を作成し、市役所に出しました。
  半年後、相談にのってくれていた女性と結婚しました。
  妻は、まだ離婚の事実を知りません。パート先の店長だっ
 た男の家に住んでいると、妻の友人から聞きました。

  結婚生活は完全に破綻しているし、妻が離婚に応じなかっ
 たのは、慰謝料の問題だけです。
  妻に離婚の事実がばれた場合、法的にどういう問題が生
 じるでしょうか。
                     (30代:男性)

 □回答□

  まず、あなたが奥様に無断で離婚届を出されていますが、
 離婚には、離婚の意思が必ず必要です。たとえ、婚姻状態
 が破綻していても、配偶者に離婚する意思がない以上、離
 婚は無効となります。

  そして、婚姻は、婚姻意思と届出があれば有効に成立す
 るので、相談にのってくれていたという女性との婚姻は有
 効です。

  したがって、あなたは民法および刑法で禁止されている
 重婚をしてしまったことになります(民法732条、刑法184
 条)。

  奥様に離婚届けが出されたことが知れた場合、奥様は、
 (1)追認して、離婚を認める、(2)離婚の取り消しと、後の
 婚姻の取り消しを裁判所に求めることが可能です。
  また、あなたを刑事告訴する可能性も考えられます。

  なお、あなたが、妻の署名と、印鑑を勝手に使い、離婚
 届を作成し、使用した行為は、私文書偽造、偽造私文書行
 使罪(刑法159条1項、161条1項)という犯罪になります。
  また、市役所に虚偽の届けを出し、戸籍に虚偽の事実を
 記載させたことは、公正証書原本不実記載罪(刑法157条1
 項)になります。


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  今週は「アブナイ会社は登記でわかる?」。
  商業登記簿の見方についてです。

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■ 士(サムライ)業の仕事と活躍
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       第46回 「借りた金? (2)」

             NPO法人トリプルエー理事長
               行政書士 本多 雄一 先生

  前回(117号)から、だいぶ間があきましたので、簡単
 に前回の状況を説明します。
  相談者のAさんは、明日どうしても返さなければならな
 い借金があると言って血相を変えていました。そこで、私
 がAさんに詳しい説明を求めたところ、借りている先をど
 うしても言わないので、これは借りた金ではないだろうと
 私が感じたという話でした。

  結局、Aさんをようやく白状させたところ、
 (1) Aさんは預かっているマンションの管理組合のお金を
   使い込んでしまった。
 (2) 明日、会計監査があるので、何としても明日までに返
   さなければならない。
 (3) 返さなければ犯罪となり、捕まって刑務所に行かなけ
   ればならないので、何とか助けてほしい。

  さて、(3)には実は大きな誤解があります。Aさんは、
 返さなければ犯罪となるが、何とか明日までにお金を返せ
 ば犯罪とならないと考えているようです。これが大きな誤
 解なのです。

  「自己の占有する他人の物を横領(刑法252条1項)」す
 ると、横領罪にあたります。この横領という行為は、判例
 によりますと、他人の物の占有者が委託の趣旨にそむいて、
 その物につき権限がないのに、所有者でなければできない
 処分をする意思が外部に現れることとされています。
  したがって、預かっているマンションの管理組合のお金
 を無断で使ってしまうことはこの横領にあたります。そし
 て、使ってしまった時点で横領罪は既遂となりますので、
 後でそのお金を返したとしても既に犯罪は成立しています。
 即ち、Aさんが明日までにお金を返したからといって犯罪
 にならないわけではありません。
  もちろん、Aさんの行為が横領罪に該当するからといっ
 て、直ちに刑務所へ行く(実刑になる)とは限りません。
 よほど悪質でない限り、初犯でいきなり実刑になることは
 少ないことを説明してAさんを落ち着かせ、重要なことは
 事情を管理組合の人に正直に話し、謝罪することであると
 諭しました。

  私「ところで、その使い込んだ金額はいくらですか?」
  A「約100万円。」
  私「何に使ったの?」

  この後、Aさんの答えに驚いてしまったのですが、それ
 は次回に。


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■ 編集後記
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  先日、このメールマガジンを配信させていただいている
 『まぐまぐ』より、「殿堂入りメールマガジン」という称
 号をいただきました。この「殿堂入り」というのは、創刊
 2年以上で発行部数3,000部以上のメールマガジンを「とり
 わけ信頼性の高いマガジン」として取り上げていただいた
 ようです。
  今回のこの「殿堂入り」は、2000年9月26日に創刊して
 以来、実に2年半もの間多くの読者のみなさまに支えてい
 ただいたおかげによるものです。ここで改めて感謝申し上
 げたいと思います。読者のみなさま、本当にありがとうご
 ざいました。
  これからも、この「殿堂入り」に恥じないメールマガジ
 ン発行を行っていきたいと思いますので、どうぞよろしく
 お願いいたします。

  最後に、このメールマガジンは『melma!』からも配信さ
 せていただいております。こちらの方もどうぞよろしくお
 願いいたします。(け)

   『まぐまぐ』(http://www.mag2.com/)
   『melma!』(http://www.melma.com/)

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※このメールマガジンはNPO法人への賛助会費と広告費に
 支えられています。
 賛助会員のご入会をお待ちしております(法律相談可)
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◇[クイズの答え] (4) ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 民法478条参照
 詳しい解説は、http://www.hou-nattoku.com/quiz/ にて

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発行元:NPO法人リーガルセキュリティ倶楽部
監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 片岡 全樹
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