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消費者契約法と企業の対応  2004年4月27日 更新

消費者契約法と企業の対応 (1)

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はじめに

 はじめまして。行政書士の寺村と申します。
 今回から5回にわたり、「消費者契約法と企業の対応」と題し、平成13年4月施行の消費者契約法を中心とした消費者保護法制への企業サイドからみた対応について見ていこうと思います。
 なお、消費者契約法についての概説書などはかなりの数が書店などに出回っていますので、ご存知の方も多いと思われます。従って、ここでは、出来るだけ企業の取引からの観点からの説明を心がけるとともに、契約締結プロセスという視点から、企業が契約交渉をしていく中において求められる一般的義務をも視野に入れた記述をしていこうと思います。


1.消費者保護法制の概観

 消費者契約法の内容やそれに対する取り組み方を述べる前に、まず消費者保護法制の全体像を概観しておきます。
 消費者保護のための法制度の全体像は、次のように纏められると思います。

1) 業法による参入規制

 各種の○○業法というものがあります。例えば宅地建物取引業法は、不動産取引を行う事業者は都道府県知事または国土交通大臣の「免許」を取得しなければならない、と定めています。その他保険業法建設業法旅行業法鉄道事業法、運送事業法、電気通信事業法などその数は相当数にのぼります。考えようによっては弁護士法行政書士法なども消費者保護法的な部分も有していると考えられるでしょう。

 これら各種業法は、取引の適正化や消費者利益の保護とともにその業界の発展を目指したものであって、消費者保護だけを目的とした制度ではないため、消費者保護としてはどうしても限界がありました。また全ての業種について業法を制定することは難しく、また制定できたとしても後手後手に回ることが多いため、どうしてもすきまが生じてしまうという点でも限界があったと言えるでしょう。

2) クーリングオフ制度

 上記のような個別の業法による規制と共に消費者保護の基本をなしてきたのが、旧訪問販売法、割賦販売法などに規定された「クーリングオフ」の制度です。これは、ある特定の商品や役務に関する契約を締結した場合に、8日とか14日などという短期間であれば無条件の契約の取消を認める制度です。この手法は、宅建業法や保険業法などにも取り入れられており、消費者契約法ができた現在でも消費者保護にとって依然として重要な位置を占めていると言えるでしょう。

<なお、従来の訪問販売法は、平成13年に特定商取引法と名前が変更になり、併せて「訪問販売」「通信販売」「電話勧誘販売」「連鎖販売取引(ねずみ講)」「特定継続的役務提供取引」「業務提供誘引販売取引(モニター商法)」の6つとネガティブオプションを規制する法律として生まれ変わりました。>

 このクーリングオフの特徴をまとめていうと、

  1. 行使期間が短期に制限されている
  2. 対象となる取引が限定されている
  3. 事業者の故意過失が必要とされていない

ということになるでしょう。これと後述の消費者取消権との違いを比較してみることによって、それぞれの特徴が浮かび上がってくると思われます。

3) 消費者契約法による一般的取消権の創設

 平成13年から施行されたもので、消費者に対し、事業者が不実告知などを行った場合、商品・役務の種類に拘わりなく一般的に取消権を与えること、及び一定の不当な契約条項について無効の主張が出来る権利を与えることなどを内容としている法律です。この内容についてはこれから詳細に説明していこうと思います。

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