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著作権と上演・上映権3 ~BGM、BGVと著作権の関係とは?~

 これまで、上演権や上映権を無許可で制限するための条件を確認してきました。

  1. 非営利
  2. 無料
  3. 無報酬で行われる
  4. 上演・演奏・上映・口述

でしたね。
 今回は、この条件に照らして具体的な著作物利用が許されるかを考えます。

BGM、BGVとしての利用

 巷のお店やパーティでは、バックミュージックにピアノの生演奏をしたり、CDをかけたり、映像を流したりということが日常的に行われています。
 これらの行為はどう評価されるのでしょうか?

■お店の場合

 まず、お店での著作物利用は、それが音楽であれ映像であれ、基本的には著作権者の許可が必要になります。
たとえ客から徴収する料金が純粋に商品代(たとえば食事代、洋服代など)だけで、音楽に関する値段は一切含まれないとしても、その「音楽等が流れる空間」で集客している側面がある以上は、営利目的とみなされ、条件「(1)非営利」に反すると考えられるからです。
 例外的に、著作権フリーのCDやDVDのほか、ラジオ・テレビならば無許可で利用できるので、手続が面倒という方はこちらをご検討下さい(著作権法38条3項)。
 また、有線放送ならお店の代わりに著作権手続を済ませてくれる場合が多いため、有線契約を結んでおくと楽かもしれません。

■お店以外の場合

 簡易なホームパーティであれば、通常は入場料などありませんし、有志の生演奏に対して対価が支払われることも稀でしょうから、原則は無許可で音楽や映像を利用できます。

 しかし、ワンドリンク制などのパーティは、料金の名目はドリンク代ですが、その本質は入場料と変わりないので、非営利とはいえません。
 また、チャリティ名目で寄付金を募る場合も、集めたお金を全額寄付するにせよ、参加者から料金を徴収するという意味では非営利の枠から外れることになります。

 次回はいよいよ著作権シリーズの最終回。
 上映会と著作権の関係について考えます。

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