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ある弁護士の獄中体験記

刑事事件を担当していたベテラン弁護士が、ある日突然、逮捕されることに。被疑者・被告人・受刑者の立場となって見たものは…? 最新の記事はLegalusでお読みいただけます。


ある弁護士の獄中体験記に関する記事一覧

第83回 雑居生活(その2)

 雑居で朝のすべての事が終了すると、出房を待つだけである。朝は忙しいので用便に行く者はいない。大体、夜型に変更しておくのである。私も新入雑居からそのようにしていた。  「出房準備」という刑務官の掛け声... 続きを読む


第82回 雑居生活(その1)

 とにかく雑居での新入りは多忙であり、かつ辛い。  布団の上げ下ろしの際には、必ず窓を開けるというルールがあった。時々忘れてしまう、特に夜に布団を敷くときに失念していることが度々あった。ここでも叱責で... 続きを読む


第81回 工場配属

 1月9日までが新入訓練で考査工場であった。その翌日の10日の午前中に、すべての荷物をズタ袋に入れて、考査工場の教室で待機していると、一人ひとりが呼び出しを受けて、偉いさんからどの工場への配属かの告知... 続きを読む


第80回 新入工場の人

 新人の訓練時代のことを書いてきたが、最後に、新人工場に配属された人のうち、印象に残っている人について触れることにする。  前にも書いたが、私が配属された雑居には、先人3名がいた。  そのうちの一人は... 続きを読む


第79回 行進など

 辛い行進などの訓練が2週間続いて工場への配属となる。訓練が始まって2~3日もすると早く工場に配属されたいと切に思うことになる。  配属工場でもその行き帰りに行進をするが、考査でやったほどに厳しくはな... 続きを読む


第78回 新人訓練は辛い(その3)

 行進などの訓練は、午前中に戸外の小さな運動場で行われるが、雨の日だと、室内の独居房の廊下で行われる。もちろん、その住人は刑務作業に出ていて誰もいない。  初めてその独居を見たとき、そのあまりの設備の... 続きを読む


第77回 新入訓練は辛い(その2)

 新入の考査工場の雑居を出て、行進の仕方で刑務官から怒鳴られながら着いた先は、まぁ教室みたいなところである。  行進は、教室出入口手前3メートルあたりに貼ってあるテープのところで先頭が止まって終了する... 続きを読む


第76回 新入訓練は辛い(その1)

 話が前後するが、刑務所生活を時系列に従ってもう少し詳しく説明していこうと思う。  入所して最初の原則2週間は新入ということで「考査工場」への配属となる。別に工場ではないのだがそのように命名されている... 続きを読む


第75回 刑務所の休日

 土曜日、日曜日、国民の祝日、年末年始が休日である。また、お盆の時期には、3日の休日が設けられている。その休日の一日も書いておこう。 さらに、矯正指導日というものがあり、休日扱いではないが、免業日とい... 続きを読む


第74回 刑務所の一日(大相撲他)

 部屋に帰ってきて、4時50分の点呼を受け、食事が終了して6時になるとラジオが入る。さらに7時にはテレビのスイッチが入ることは前に書いた。  ところが、例外的に早くからテレビを見ることができる場合があ... 続きを読む


第73回 刑務所の一日(帰房後)

 居室に帰りタオルを再度洗ってハンガーに掛けて、時間があれば部屋の中をすみずみまで丁寧に掃除する。  総転房といって、一斉に部屋の変更が行われることがある。個々の転房は単に「転房」という。  独居は、... 続きを読む


第72回 刑務所の一日(午後~帰房)

 刑務官により違いがあるが、木工工場では概ね12時50分又は55分頃まで昼食休憩だった。1時間弱といったところである。午後の作業も午前中と似たようなものである。  ただ、午前中の10時からあったような... 続きを読む


第71回 刑務所の一日(刑務作業)

 朝7時50分ころから刑務作業が開始されることは前に書いた。私は木工工場しか知らないので、木工工場での刑務作業を中心として刑務作業の説明をしていくことにする。  木工工場は、一段高い場所にいる担当刑務... 続きを読む


第70回 刑務所の一日(工場へ)

 独居出房後、各自の部屋の前に立ち、全体として2列で整列していると、刑務官の「足踏み始め~」との声で、左足からその場での足踏みを開始し、「進め~」という合図があって、行進を開始してそのフロアーの出入り... 続きを読む


第69回 刑務所の一日(出房)

 時系列からすれば、新入訓練及び当初の雑居時代から始めるべきだが、それは別稿として、まずは刑務所での一日の一般的な流れを書くことにする。大分刑務所独居での一日である。  平日は6時30分に起床となる。... 続きを読む


第68回 大分刑務所生活の始まり

 余談から、話を大分刑務所に戻す。  大分刑務所に到着すると、すぐに身体物品検査室に入る。これはどこでも同じことだ。宮崎刑務所に比較すると、格段にきれいな、そして大きな部屋に刑務官が3~4人いる。床に... 続きを読む


第67回 余談

 6月28日付毎日新聞報道によれば、和歌山にある大阪刑務所丸の内拘置支所の共同室(雑居)に、エアコン3台が取り付けられたそうである。3台というから、雑居が3部屋あるのだろう。  昨年、同支所において、... 続きを読む


第66回 大分刑務所へ

 月曜日の朝は事前に言われていたとおり、6時30分の起床時間より15分ほど早く起こされた。やはり隣の二人連れも一緒だった。若い人とお年寄りの二人である。3人そろって身体物品検査室に行く。  そこで、大... 続きを読む


第65回 宮崎刑務所生活(その3)

 宮崎刑務所に入所して3日目の午後と4日目に、初めての刑務作業となったことは、前回に書いた。  受刑者、いわば拘置所の面倒見さんのような、新入受刑者の面倒をみる受刑者がやってきて、7~8センチ四方の白... 続きを読む


第64回 宮崎刑務所生活(その2)

 前回に引き続き分類調査のことを書くと、暴力団との関係の聞き取りに続いて、事件内容の聞き取りとなった。これもかなりの長時間となった。  判決文の写しが手元にあるらしく、これを見ながら刑務官(技官?)が... 続きを読む


第63回 宮崎刑務所生活(その1)

 宮崎刑務所には12月10日の月曜日に入り、翌週の17日早朝に大分刑務所に移監となったので、わずか1週間しかいなかった。  この間はノートもまだなく(つけていれば、規則などを書いていないから、これは持... 続きを読む


第62回 刑務所入所当日

 宮崎地方裁判所の真ん前に新たに建築された合同庁舎に福岡高検宮崎支部はある。  受付で用件を告げてエレベーターで上がると検察事務官が出迎えてくれた。そのまま支部長室内の応接室に行く。  しばらく待たさ... 続きを読む


第61回 刑務所生活

 今回から刑務所生活について書いていく。  ただ、最初にまず断わっておきたいのは、刑務所での生活内容については詳しい資料が手元に残存しておらず、記憶のみに頼っているということである。  拘置所では夕食... 続きを読む


第60回 拘置所生活の終了

 最初に拘置所に入ったのは証拠隠滅事件の被告人として、2回目は証人威迫事件の被疑者・被告人として、3回目は地裁の実刑判決による収監の3回である。  いずれも宮崎拘置所(刑務所)である。  最初の拘置所... 続きを読む


第59回 所内生活の心得(その8)

 「賞罰」についてもきちんと規定がある。人命を救助したとき、逃走を防止したとき、火災・天災その他非常の際に功労があったとき、そのほか特にほめられる行為があったときに賞が付与され得る。  懲罰と違って、... 続きを読む


第58回 所内生活の心得(その7)

 前回に書いた巡回図書館と言うのは私の勝手な命名であるが、毎週1回、面倒見さんが図書カード(昔図書館の本のカバー裏に差し込まれていた貸出返却の日付などを記載する紙)を30枚ほど持って回ってくる(カード... 続きを読む


第57回 所内生活の心得(その6)

 「保健・衛生」に関することも、所内生活で重要なことである。  下着や靴下などの小物類は毎朝、スエットやジャージなどの大物類は毎週月曜日朝、面倒見さんが回収しに来て洗濯に出してくれる。朝起きたら一番に... 続きを読む


第56回 所内生活の心得(その5)

 前回に検閲のことを書いたが、その続きである。私が弁護を担当していたAは、その当時宮崎拘置所にいた。私はまだ留置場である。  Aは、拘置所のラジオ放送で私の逮捕を知り、驚いたらしい。しかも、自分が関係... 続きを読む


第55回 所内生活の心得(その4)

 「所内生活の心得」に話を戻すと、その中の「第2. 毎日の生活について」は、我々にもっとも関係する事項を記載している。この項目中の「(2)居室内での動作と心得」に「点検」のことが規定されている。  朝... 続きを読む


第54回 所内生活の心得(その3)

 前回、裁判所への出廷などについて書いたので、所内生活の心得自体のことではないが、出廷に関係する話をしておこうと思う。  裁判の期日は当然事前に分かっているので、前日の夜には出廷のための準備をしておく... 続きを読む


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