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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第344号

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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□

            週2回発行(月・木曜日)


2007年 7月 5日                         第344号
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 発行部数: 24,299部(まぐまぐ 17,648部、melma! 6,506部、Yahoo! 145部)
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■ 目 次
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  □ 法律クイズ 第18回
    「傷害罪が成立するのは・・?」
    http://www.hou-nattoku.com/quiz/0037.php

  □ なっとく! 法律相談 第334回
    「卑猥な画像を送信してきた外国人への慰謝料請求」
    http://www.hou-nattoku.com/consult/612.php

  □ 新着情報

  □ 皆で考えよう、法の建前と現実 第30回
    「第30回 日本の弁護士制度 その1」
    http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/30_lawyer.php

  □ お知らせ


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■ 法律クイズ 第18回
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 「傷害罪が成立するのは・・?」

 □問題□

  刑法204条は「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下
 の罰金に処する」と規定しています。では、次の各場合において、太郎に
 傷害罪が成立するのはどれか?

 1.Aが気に入らない太郎は、少し脅かそうと、肩でBを軽く押した。ところ
  が、予期に反し、Bは前のめりに倒れ、左手を骨折した。
 2.太郎は、いつも、D子に対して大声で威嚇するなどの粗暴な接し方をして
  いたところ、D子はPTSDに罹患した。
 3.太郎はC子の髪の毛をハサミで根元から切った。


 回答は、法納得どっとこむ
 http://www.hou-nattoku.com/quiz/0037.php
 を見よう。



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■ なっとく!法律相談 第334回
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 「卑猥な画像を送信してきた外国人への慰謝料請求」
 

 □相談□

  たまにメールのやり取りする男性から、はっきりとわかるような自分の
 陰部を撮影した画像を携帯で送ってこられました。気持ちが悪いし、とて
 も嫌な思いをしたので謝罪と慰謝料と要求したいのですが請求できますか?
 その彼は外国の方ですが、外国の方がどうかで慰謝料ができるか変わって
 きますか?宜しくお願いします。
                            (20代:女性)


 □回答□

  請求相手が外国に居住する外国人であるような場合を「渉外事件」と言
 います。渉外事件の場合、通常の内国事件の場合と異なり、(1)日本で裁
 判ができるのか、(2)裁判ができるとして、日本法を適用できるのかが問
 題となります。
  どのような場合に日本で裁判できるのか(1)について、国際的に確立し
 たルールも明文規定も存在しません。そこで、実務上、わが民訴法によっ
 て認められる裁判籍のいずれかが国内にあれば日本で裁判ができることと
 されています(最判S56.1016参照)。
  本件事例では、不法行為に基づく慰謝料請求権の成否が問題となってい
 ます。そして、不法行為に関する訴えについて、わが民訴法は「不法行為
 があった地」に裁判籍を認めます(同法5条9号)。そこで、本件では、
 「不法行為があった地」はあなたが画像を見た国内ですから、日本で裁判
 ができることになります。

  次に日本法を適用できるか(2)についてですが、1つの事件について複
 数の法が関連する場合、適用されるべき法は「法の適用に関する通則法」
 によって決められます。そして、同法によれば、不法行為に基づく請求権
 の成立及び効力については「加害行為の結果が発生した地の法」を適用す
 ることとなっています(同法17条)。そのため、本件の場合、「加害行為
 の結果が発生した地」はあなたが精神的苦痛を被った日本ですから、日本
 法が適用されることになります。

  不法行為に基づく損害賠償または慰謝料請求権が発生するためには、
 (1)故意・過失のある行為があること、(2)他人の権利の違法な侵害で
 あること、(3)損害が発生すること、(4)故意・過失のある行為と権利
 侵害との間に因果関係があり、権利侵害と損害の発生との間に因果関係が
 あること、の5つの要件が必要です(民法709条参照)。では、あなたに慰
 謝料請求権が発生しているといえるでしょうか?

  本件男性が行った「猥褻画像を無理に見せる行為」は、あなたの人格権
 を侵害する故意・過失のある行為と言えます。しかし、本来、自分で自分
 の陰部を撮影して知人に送信することはそのこと自体で違法とまで言えま
 せん。言い換えれば、あなたが被った苦痛は主観的かつ相対的なものです
 (その写真を受取れば誰もが苦痛を受けるとは限らないという意味で)。
 そのため、本件の場合、要件(2)の充足(つまり、被害者が受忍するべき
 限度を超えていたと言えるか、法的救済を要する違法な権利侵害があった
 と言えるか)が問題となります(最判S47.6.27、最判S63.12.20等)。そし
 て、このような場合の権利侵害の有無については、(1)侵害された権利・
 利益の内容、(2)侵害行為の態様、(3)侵害時における行為者の主観等
 が総合的に判断されます。

  本件の場合、そもそも受けた苦痛が客観的に判断しにくいものであるこ
 とから、侵害行為の態様および行為時の男性の主観などについて、原告に
 は難しい裁判となるのではないかと思われます。したがって慰謝料の請求
 は困難だと考えます。


 謝罪請求について

  権利侵害により生じるのは損害賠償責任であり(民法709条)、この損害
 賠償とは金銭賠償を指します(同722条、417条)。そのため、例外が規定
 されている名誉毀損等の場合を除き(民法723条等)、権利侵害の効果とし
 て謝罪責任(謝罪請求権)が生じることはありません。

 [関連情報]
  ・国外犯の処罰
   http://www.hou-nattoku.com/mame/yougo/yougo64.php

  ・インターネットのわいせつ画像
   http://www.hou-nattoku.com/internet/other2.php



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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報
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 「法、納得!どっとこむ」に新しく掲載された記事をご紹介します。

  7月 4日 内縁関係の成立条件 
      http://www.hou-nattoku.com/quiz/0036.php



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■ 皆で考えよう、法の建前と現実
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  第30回:日本の弁護士制度 その1
 └───────────────────────────────┘

 設問:弁護士人口について(投票総数:435票)

  現在(22,000人)より少ない人数でよい	 
  ||||| 41票 (9%)

  現在の人数(22,000人)でよい	 
  ||||||| 64票 (15%)

  司法改革が目的としているフランス並み(43,000人)がよい	 
  ||||||||||||||||| 152票 (35%)

  5万人以上10万人以下くらいがよい	 
  |||||||| 75票 (17%)

  10万人以上いた方がよい	 
  |||||||||||| 103票 (24%)


                       (7月 5日 11時25分現在)


 ▼いただいたご意見(読みやすいように一部編集しています)
 
 【10万人以上いた方がよい】
 
 今までのような教育と選抜方法を取る限り、前の弁護士さんが言われるよ
 うに質が落ちたと言われても仕方がないでしょう。裾野が広がれば質が落
 ちるのはそのとうりだと思います。しかし、法科大学院と新司法試験とい
 う新しい教育方法と選抜方法のもとでは、たぶん違うことになると思われ
 ます。
 2020年ごろには、この人たちが弁護士業界でも多数派となり、仕事のやり
 方や弁護士としての価値観も大きく変わってくると思う。法科大学院と新
 しい司法試験以前の方々は質が悪い、使えないと言われる時代がくるかも
 しれない。それが、司法改革の真の狙いかもしれません。

                            (30代:男性)


 【現在(22,000人)より少ない人数でよい】

 私は、法律専門職でもなんでもありません。
 なので、特にそう思うのですが。

 [弁護士の数が云々]

 こういう議論の意味自体がよくわからないところがあります。
 いや、別にふざけているわけではなく。

 確かに、「数字上」では少ないのかも知れない。
 ただ、私のように「ひょっとしたら仕事を頼むかも」という立場の人間か
 らしますと。

 [敷居が高い]
 [何を相談していいかよくわからない]
 [どういう言葉の表現をすれば、こちらの真意を理解していただけるのか?]

 この時点で、よくわかんなくなってしまうのです。
 つまり、

 [事の本質って、数の問題なの?]

 数の問題っていうのは、あくまで「業界」の都合でしょ?

 なので、数云々の問題は本質じゃないっすよね?
 なので、結論としては、

 [いいんじゃないの、現状のままで]

 こういう風になってしまうのです(←苦笑 
                            (30代:男性)


  今回は2名の方の意見を掲載させていただきました。
  この他にも多くのご意見をいただいています。刻々と変化するアンケー
  ト結果やその他のご意見を読みたい方は、

  http://www.hou-nattoku.com/enq/view_opinion.php

 にアクセスしてみてください。引き続き、ご意見お待ちしております。
 
 >> http://www.hou-nattoku.com/enq/



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