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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第373号

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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□

            週2回発行(月・木曜日)


2007年10月22日                         第373号
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 発行部数: 24,436部(まぐまぐ 17,849部、melma! 6,416部、Yahoo! 171部)
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■ 目 次
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  □ 法律クイズ 第47回 【問題】
    「緊急事態で突き飛ばした相手の服が破れた!」
    http://www.hou-nattoku.com/quiz/0081.php

  □ なっとく! 法律相談 第363回
    「代表取締役が同業の別会社を設立!」
    http://www.hou-nattoku.com/consult/641.php

  □ 法律クイズ 第47回 【解答】


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■ 法律クイズ 第47回 【問題】
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 「緊急事態で突き飛ばした相手の服が破れた!」

 □問題□

  Aは、車に轢かれそうになったBを助けるため、とっさに突き飛ばしまし
 た。Bは助かりましたが、着ていた服が破けてしまいました。Aは、Bの服を
 弁償しなければならないでしょうか。

 1. 弁償しなければならない
 2. 弁償しなくてもよい


 ▼ 解答は、「なっとく!法律相談」の後にあります。 ▼


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■ なっとく!法律相談 第363回
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 「代表取締役が同業の別会社を設立!」
 

 □相談□

  弊社の代表取締役が、私達役員に内緒で、同業の会社を設立し、そこの
 代表取締役に就任している事が判明しました。これは弊社の利益を損なう
 行為だと思うのですが、何か法的に訴える手段、方法があるのでしょうか?

                            (30代:男性)


 □回答□

  あなたの会社の機関設計について、相談文からは明らかではありません。
 そこで、一般的な見解としてお答えしたいと思います。

  会社法のもとで取締役が競業行為(当該取締役又は第三者のために株式
 会社の事業の部類に属する取引をすること)をするには、(1)取締役会の事
 前承認を受けなければならず、また(2)事後的に取締役会へ報告をしなけれ
 ばなりません(会社法356条1項1号、365条1 項・2項)〔取締役会が設置さ
 れていない会社の場合には株主総会の事前承認のみで足ります〕。これは、
 取締役による競業行為により、会社が取得できたはずの取引の機会が奪わ
 れ、または会社機密が流用されることにより会社に損害が及ぶことを予防
 するための規制です。では、本件代表取締役による(ア)同業を目的とす
 る会社を設立したことおよび(イ)その会社の代表取締役就任は同規制に
 反する行為であると言えるでしょうか?
  会社法356条1 項1号により規制される取引の範囲は、自己または第三者
 のために会社の事業の部類に属する取引をすることに限定されています。
 したがって、同業を目的とする他の会社の取締役になること自体は会社法
 の規制対象となりません。しかし、(ア)同業を目的とする会社を設立す
 ることは会社の取引の機会を減少させる行為と言えますし、(イ)そのよ
 うな他社の代表取締役としてその会社の対外的業務執行をすることは会社
 機密が流出する危険を伴います。そこで、それらの行為は会社法356条1項
 1号によって規制される行為であると考えられます。そして、本件代表取締
 役は(1)取締役会による事前の承認を受けず、また(2)事後的に取締役会へ
 報告もしていません(取締役会がない会社なら、総会承認を欠いている)。
 したがって、本件代表取締役の(ア)同業を目的とする会社の設立および
 (イ)その会社の代表取締役に就任は、競業取引規制(356条1項1号)に
 違反する行為であると言えます。

  一方、会社法とは異なる競争政策の観点から、取締役が競争関係にある
 他社の役員を兼務すること自体が禁止されています(独禁法13条)。した
 がって、この観点からも、本件代表取締役の行為は違法行為となります。

  では、このような違法行為をした取締役に対し、会社はどのような対処
 ができるでしょうか?
  いかに競業取引規制に反する行為であっても、外部的になされた取引は
 有効となります。そこで、将来行われる競業取引を防止するため、まずは
 今後行われうる競業行為を差止めることが考えられます(会社による差止
 請求について明文はありませんが、競業取引が規制される当然の結果とし
 て認められます)。
  次に、本件代表取締役の行為は法令違反行為であり解任事由に相当しま
 すから、株主総会を招集した上で解任決議を行うことも考えられます(339
 条)。なお、会社法の規定に違反した者は、刑の執行を受けることがなく
 なった日から2年間は取締役となれなくなります(331条1項3号)。
  さらに、取締役が法令を遵守することは会社に対する職務上の義務に属
 しますので(最判H12.7.7)、善管注意義務(330条、民法644条)および忠
 実義務(355条)に反するものとして、任務懈怠に基づく損害賠償請求をす
 ることも考えられます(423条1項)。

  なお、一般の取締役には代表取締役の業務執行一般を監視・是正する責
 任があります(最判S48.5.22)。そこで、代表取締役の違法行為を放置し
 た場合、今度はあなた方役員の任務懈怠責任が発生しうることを注意的に
 付記しておきます。 

  [関連情報]
  ・常勤監査役の職務不履行
   http://www.hou-nattoku.com/consult/625.php



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■ 法律クイズ 第47回 【解答】
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 「緊急事態で突き飛ばした相手の服が破れた!」

 □解答□ 
 
 2. 弁償しなくてもよい

  民法には「事務管理」という制度があります(民法697条)。「事務管理」
 とは、法律上の義務のない者が、他人のためにその事務を処理することを
 いいます。この「事務」には、契約を締結するなどの法律行為だけでなく、
 轢かれそうな人を助けるなどの事実行為も含まれます。
  Aは、車に轢かれそうになったBを助ける法的義務を負っていないにもか
 かわらず、Bを助けました。このようなAの行為は、民法上の「事務管理」
 として評価されます。
  では、Bの服が破けたことについて、弁償する義務を負うのでしょうか。
  民法698条は、差し迫った危害を免れさせるために事務管理を行った場合
 には(緊急事務管理)、管理者に故意又は重大な過失がない限り、発生し
 た損害を賠償する義務はないとしています。
  Aは車に轢かれそうになるという差し迫った危害からBを免れさせるため
 に事務管理を行ったのであり、重大な過失、故意も認められません。

 したがって、AはBの服を弁償する必要がありません。



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