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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第766号

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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□

             週1回発行(月曜日)


2015年10月19日                        第766号
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 発行部数: 18,816部(まぐまぐ 13,442部、melma! 5,374部)
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■ 目 次
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  □ ある弁護士の獄中体験記 第23回
   「願い事(その2)」

  □ なっとく! 法律相談 第754回
   「葬儀費用を生命保険から出すことは可能でしょうか?」
    https://www.hou-nattoku.com/consult/1487.php

  □ 今週の話題 ~法律はこう斬る! 第121回
   「ノーベル賞の賞金の税金はいくら?」

  □ 法律クイズ 第438回 【問題】
   「法律での宗教の定義って?」
    https://www.hou-nattoku.com/quiz/0972.php

  □ 想うままに ー弁護士日誌から 第22回
   「労働問題パート2」

  □ 議事録から見る会社法 第95回
   「特別利害関係人の取締役会での決議1」

  □ 法律クイズ 第438回 【解答】


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■ ある弁護士の獄中体験記
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 山本 至(やまもと いたる)
 元弁護士。昭和29年生まれ。昭和51年早稲田大学卒業。金融機関勤務後平
 成元年司法試験合格、同2年司法研修所入所(修習44期)。平成4年弁護士
 登録(東京弁護士会)。
 平成18年に証拠偽造、証人威迫容疑で逮捕。無罪を主張したにもかかわら
 ず、平成24年10月に最高裁判所で懲役1年6月の実刑判決が確定。宮崎刑務
 所、大分刑務所で服役し、平成26年4月出所。現在は自身の体験談などの執
 筆活動中。
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 第23回「願い事(その2)」

  願箋には願い事の内容を具体的に記載しなければならない。「携行願」
 とは、弁護人接見や裁判のときにノート・筆記具・刑事記録を持っていき
 たいので許可してくださいというもの。

  この許可がない限り手ぶらで行くことになるが、刑事記録が手元にない
 と弁護人との打合せに支障をきたすので、携行の許可は必須である。
  ところが、私の場合、入所したその日12月25日に弁護人との接見があり、
 願箋を出して事前許可を受けなければならないなどとも知らず(留置場は自
 由に持っていけた)、ノートなどを持って居室を出た。

  ところが、そこでストップがかかった。刑務官が「携行願いが出てない
 よな」と言うが、何も知らない私は、キョトンとしたままだった。ただす
 ぐに、「今日入ったばかりだもんな。しかたないよな」ということで、刑
 務官の了承をもらって事後承認で願箋を提出するということとなった。融
 通の利く刑務官だった。

  接見終了後に、別の刑務官が携行願いの願箋を提出するようにと願箋を
 持参してきた。そこで必要事項を記載することになったのだが、願い事を
 具体的にどのように書いてよいのか分からず、ひな形があるだろうから教
 えてもらいたいと頼むと、その返事は「甲弁護士と接見する際に、ノート
 ・筆記具・裁判資料一式を携行できるよう許可されたく願い出ます。」と
 いうもので、まぁ分かりやすい内容であるとは思う。

  しかし、私の場合そうはいかないのである。刑務官のいう書き方だと、
 甲弁護士以外の乙弁護士が接見に来たときに、筆記具等を持ち出せないこ
 とになる。その当時弁護人選任届を提出していた弁護士は優に130名を超え
 ていた。もちろん、名前だけの私を応援してくれる先生もいて、そのすべ
 ての先生が接見に来てくれるわけではない。

  それでも、少なくとも宮崎の先生方や東京から宮崎に接見に来てくれる
 弁護士に限っても10名近くに及ぶ。さらには、まだ弁護人選任届を提出し
 ていないが、「弁護人になろうとする者」という資格で接見を希望する先
 生もいるかもしれない。
  そのことを丁寧に説明して、「甲弁護士」ではなく「弁護人となりもし
 くは弁護人となろうとする弁護士」としたいとお願いした。

  ところが、官僚の悪しき前例主義が登場する。その刑務官は前例がない
 ということで、私の言い分をまったく受け付けてくれない。
  宮崎といえども、複数の弁護人が付いている事件もあるだろうに、本当
 に特定の一人の弁護士に限定しているのだろうか、それとも書式上は甲弁
 護士に限定しつつも運用として乙弁護士との接見の際に携行が黙認されて
 いるのであろうか。

  後日もめるのは嫌であるから包括的な記載で許可してもらいたいと、と
 にかく理を尽くして説明をし、頼み込んだ。
  そのうち、何をしているのかということで偉いさん刑務官が登場し、再
 度説明をした。その結果、「弁護人が130名ほど付いており、誰がいつ接見
 に来てくれるか特定することができません。したがって、毎回どの弁護人
 であっても、接見時にノート・筆記具・裁判資料一式を携行できるよう許
 可されたく願い出ます。」との文言で決着がついた。
  私の提案文言と異なるのは、刑務官の面子かなとの思いが頭をかすめた。
  (つづく)


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■ なっとく!法律相談 第754回
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 「葬儀費用を生命保険から出すことは可能でしょうか?」

 □相談□

  親戚の出来事で相談です。未成年の子供(親権は元嫁)が一人いる、離婚
 した若夫婦がいます。
  夫が交通事故で意識不明の状態が続いています(おそらく近日中に亡くな
 ってしまいます)。不動産・預金・生命保険は第一相続人である未成年の子
 供が相続になると思います。また、葬儀の喪主は夫の父親がなる予定です。
  ただ、お金に余裕がなく葬儀費用を夫の生命保険でまかないたいと考え
 ているのですが可能でしょうか?子供は未成年なので代理人の元嫁との話し
 合いで、元嫁が了解することが条件でしょうか?元嫁が非常にしたたかな女
 性なので簡単に首を縦に振ってくれない場合は、何かよい手立てはないで
 しょうか?


                        (30代:男性)


 □回答□

  まず、相続の問題と生命保険の問題は切り分けて考えなければなりませ
 ん。

  相続については、ご相談内容から、ご親戚の方(夫)が亡くなられた場合、
 離婚されているため、相続人は、未成年のお子様のみとなります(民法887
 条参照)。離婚後は、元奥様に相続の権利は生じません。
  相続が発生すると、故人(被相続人)に生じていた権利義務のすべてが相
 続人に引き継がれることになります(民法896条)。したがって、ご親戚の方
 が有していた不動産や預金はもちろんのこと、住宅ローンなどの借金があ
 れば、場合によってはそれも引き継ぐことになります。

  一方、生命保険は、あくまで死亡をきっかけに予め指定していた保険金
 の受取人に対して金銭が支払われる「保険契約」になります。
  したがって、相続とは関係なく、受取人に対してお金が支払われること
 になります。受取人が元奥様か、未成年のお子様かはご相談内容からはわ
 かりませんが、相続の対象とはならないだろうことはご注意ください。

  葬儀費用を生命保険から出したいということですが、受取人が元奥様の
 場合は、奥様に打診して支払ってもらうようにする必要があります。
  一方、未成年のお子様が受取人の場合、葬儀費用の支払いは法律行為(い
 わゆる契約)にあたりますので、法定代理人である元奥様の了承が必要にな
 ると思われます(民法824条)。
  いずれにせよ、事情を話した上で元奥様に協力を仰ぐのは必要ではない
 かと思われます。

  ただ、次に述べる「特別代理人」という仕組みを使えば、葬儀費用の捻
 出と適切な相続財産の管理が両立できると考えられます。

  まず、ご心配のもう一点として元奥様がご親戚の方の相続財産を我が物
 として消費することを避けたいという点があると思います。
  さきほど述べたように、未成年のお子様の場合、法律行為は法定代理人
 が代理行為として行います。これは、相続についても同じです。となると、
 ご親戚の方が亡くなられた場合、お子様の代理人として元奥様がご親戚の
 方の遺産すべてを管理することになりかねません。

  このような場合を想定して、法律では利益相反行為に該当する場合には、
 親権者ではなく、家庭裁判所が選任した特別代理人が未成年のお子様の法
 律行為を行えるように規定しています(民法826条を参照)。
  利益相反行為とは、「行為の外形から、一般的、客観的に判断して、子
 供の利益が害される危険がある」行為(最判昭和49年7月22日)とされていま
 す。今回のケースでは、法定代理人となる元奥様のお金の使い方によって
 は未成年のお子様の利益が害される可能性もありえますので、特別代理人
 の選任が可能であると思われます。

  そのため、まず、弁護士に依頼して、家庭裁判所に対して特別代理人の
 選定を申し立てます(この際、相続問題などに長けた弁護士を頼るほうがベ
 ターです)。そして、特別代理人を経由して相続財産から葬儀費用を拠出し
 てもらうという方法を取ります。この際、保険金の受取人が未成年のお子
 様であっても、特別代理人を介して葬儀費用の支払いは許される拠出であ
 ると考えます。

  次に、相続財産の使い道については、お子様の養育や教育に必要な金額
 が生じるたびに、元奥様から特別代理人に対して申請の上、支払いを行う
 ような運用にしておけば、財産の私的浪費を防げるものと思われます。


  [関連情報]
  ・葬儀費用を故人の預金口座から引き出してしまったが、相続放棄は
   認められる?
   https://www.hou-nattoku.com/consult/1414.php



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■ 今週の話題 ~法律はこう斬る! 第121回
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 「ノーベル賞の賞金の税金はいくら?」

  2015年のノーベル生理学・医学賞に北里大学の大村智特別栄誉教授が、
 物理学賞に東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章教授が選ばれ、相次ぐ日
 本人のノーベル賞受賞に日本全国が沸きました。大村さん、梶田さんの地
 元では、駅に垂れ幕を掲げたり、関連図書の展示を行ったりと、お祝いの
 行事で盛り上がっているようです。

  ノーベル賞の受賞者へはメダルと賞金が授与されます。ノーベル賞の賞
 金は、1,000万スウェーデン・クローナと定められているそうですが、景気
 低迷等の理由で800万スウェーデン・クローナとなった年もあります。なお、
 2015年10月13日現在、1スウェーデン・クローナは14.64円となっています。
  このノーベル賞の賞金にも税金はかかるのでしょうか?

  税金には、法人税、所得税、消費税、酒税、自動車税などさまざまなも
 のがありますが、今回に関連するものは所得税となります。
  所得税とは、給与、退職金その他個人がその年の1月1日から12月31日ま
 でに得た所得に対して課税される税金のことをいいます。
  会社に務めている方ですと、勤務先から給料の天引きという形(これを源
 泉徴収といいます)で行われたりするので、あまり手続きをしたことがない
 という方が多いかもしれません。
  自営業の方や会社を退職した方は、2月の下旬から3月の中旬に行われる
 確定申告という手続きを行って、納税することになります。この所得税に
 ついて定める法律が「所得税法」です。

  所得税法9条は所得税を課さない非課税所得について定めています。
  増加恩給・傷病賜金・負傷や疾病に起因して受ける特定の給付・遺族年
 金等は社会政策的に非課税とされており(法9条1項3号等)、給与所得者の通
 勤手当・出張旅費・転勤旅費等は実費弁償の性質を持つとして非課税とさ
 れています(法9条1項4号等)。
  法9条1項13号ホは「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」
 を定めており、ノーベル賞の賞金はこの条文により非課税となります。

  なお、ノーベル経済学賞は、正式名称を「アルフレッド・ノーベルを記
 念した経済学におけるスウェーデン国立銀行賞」といい、賞金はノーベル
 基金から出されるのではないため、法9条1項13号ホの適用がないとされて
 います。
  今のところ、ノーベル経済学賞で日本人の受賞はありませんが、今後受
 賞者が出てきた場合は改正される可能性も考えられます。

  また、9条はノーベル賞以外にも、「オリンピック競技大会又はパラリン
 ピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして
 財団法人日本オリンピック委員会財団法人日本障害者スポーツ協会その他
 これらの法人に加盟している団体であつて政令で定めるものから交付され
 る金品で財務大臣が指定するもの」も対象としていますので(法9条1項14号)、
 オリンピックのメダリストに対して支払われる報奨金も非課税となります。
 これは、バルセロナオリンピックで金メダルを獲得した当時中学2年生の岩
 崎恭子選手の報奨金に課税されたことがきっかけとなり、法改正が行われ
 たと言われています。


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■ 法律クイズ 第438回 【問題】
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 「法律での宗教の定義って?」

  日本国憲法では、信教の自由として宗教の存在を認め、保障しています。
  では、法律において「宗教」について明確に定義した規定はある?

 1. ある

 2. ない


 ▼ 解答は、メールマガジン下部にあります。 ▼





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■ 想うままに ー弁護士日誌から 第22回
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 「労働問題パート2」

  前回に会社外部のユニオンの問題を書いたが、外部ユニオンが関与する
 事件は意外に多い。今回紹介するのも外部ユニオンが関係した事件である。

  機械を取り扱う会社の場合、指を切断するとか手が巻き込まれてしまっ
 たとかいう労働災害事故が発生することもある。今回はその話である。
  舞台となったのは、中小企業がひしめく地域にある、とある会社である。
 昔「三ちゃん企業」という俗称があった。お父ちゃん、お母ちゃん、お兄
 ちゃんの3人がやっている極めて小規模の会社や個人商店を意味した。

  その会社は「三ちゃん」ではないものの、従業員は家族以外に2名ほどの
 外国人であった。しかも不法就労外国人であった。
  断わっておくが、その会社社長は、不法就労だからといって、特に安月
 給でこき使っていたわけではない。その当時その外国人の母国での物価は、
 中流家庭の夫婦共働きで年収50万円にも満たないものであったから、頑張
 って働いて母国に戻れば、かなり贅沢な暮らしができる。

  その外国人が機械に指を挟まれて切断してしまうという事故が起きた。
 外部ユニオンが出てきて、揉めに揉めることとなった。
  ここで言いたいことは、大仰なようであるが、「正義」とは一体何なの
 かということである。
  その外部ユニオンは「労働者は使用者から搾取されている」という時代
 錯誤のようなスローガンを掲げ、安全教育もせず、不法就労者を安く使用
 しているとんでもない会社だと糾弾活動を始めた。個人商店が法人成りし、
 家族総出で休みもなく稼働している会社の社長が搾取者という発想が理解
 できない。

  地裁で判決が出て双方が控訴し、高裁で和解勧告がなされた。
  当方としては和解に応ずる意思はあるのだが、和解金をいつまでにいか
 なる方法で工面するかが問題であった。そのため和解期日が何回か設けら
 れた。和解というのは、双方が歩み寄って妥協点を探すものであり、その
 意味では双方の間にある程度の信頼関係がなければならないと思う。
  ところが、その和解の最中に、外部ユニオンが旗を立て、十数人で会社
 前へやってきて「裁判所(地裁)の判決に従わない、とんでもない会社だ」
 というような街宣をした。

  和解中であるから、地裁判決に従うも何もない。そのような街宣行為が
 果たして正義といえるのだろうか?むしろ不正義ではないだろうか。
  仮に和解とならなければ、外国人側は強制執行をしなければならないが、
 預金なし、不動産は抵当に入っているとの状態である。こちらも誠意をも
 って何とか和解でと考えている最中になされるべき行動ではないだろう。

  そのユニオンの御用弁護士に抗議を行ったが、我関せずという態度であ
 った。裁判での準備期日には、ユニオンの幹部と一緒に入ってくるほど、
 ユニオンと一体となっているにもかかわらず、このような場合だけ、その
 ような態度をとるというのは卑怯というものであろう。

  彼は不法就労者であるから、逸失利益については最高裁の判例があって、
 就労可能期間が限定されるが(早晩強制退去等になるからである)、慰謝料
 についてはどうだろうか。
  事故時点で慰謝料が発生しているから将来期間が限定されるといったよ
 うな減額要素は形式的にはない。しかし、日本人と同額の慰謝料とするこ
 とが正しいのだろうか。
  単純に考えて、1000万円の慰謝料が妥当だとした場合、彼は強制送還な
 いしは自費出国となるが、母国の年収が夫婦二人で50万円とすると、当時
 の日本の一人当たり平均年収が300万円であると仮定した場合、実質的には
 1億円以上の慰謝料となる。実質的にそれが正義であるのか悩ましいところ
 であった。

  そこそこの金額で和解を成立させた記憶であるが、その後、彼と同国人
 から、彼の手元に金銭はほとんど残らず、ユニオンに吸い上げられたとの
 噂が流れてきた。街宣の日当、弁当代、弁護士費用等々が高いのである。
  それでも、労働者の味方といえるのだろうか。搾取者は誰なのかと言い
 たい。


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■ 議事録から見る会社法 第95回
───────────────────────────────────

 「特別利害関係人の取締役会での決議1」

 ■特別利害関係人は決議に参加できない

  取締役会決議において、その決議に利害関係を有する取締役は、議決に
 加わることができません(会社法369条2項)。また、会社法では取締役会決
 議の定足数を「議決に加わることができる取締役の過半数」の「出席」と
 しており、特別利害関係人はそもそも定足数にも算入されません(会社法
 369条1項)。
  そして、特別利害関係人が議決に加わることができないことから、誰が
 利害関係人であることを明確にしておく必要があります。そこで、会社法
 施行規則では、決議を要する事項について特別の利害関係を有する取締役
 があるときは、当該取締役の氏名を取締役会議事録に記載することとして
 います(会社法施行規則101条5項)。

 ■特別利害関係人に当たる場合の記載例
 ┌───────────────────────────────┐
 │1.××の件                          │
 │                               │
 │ ・・・・・・・                       │
 │ ・・・・・・・                       │
 │ 上記原案に対し、審議の結果、議長より議場に賛否を諮ったとこ │
 │ ろ、出席取締役全員異議なくこれを承認可決した。なお、甲株式 │
 │ 会社の代表取締役を兼務している取締役Aは特別利害関係人のた  │
 │ め、この決議に参加しなかった。               │
 │                               │
 └───────────────────────────────┘

  この例のように、なお書きで特別利害関係人のことを記載することが多
 いようです。この記載により、Aが特別利害関係人に当たること、及びAが
 決議に参加していないことが明らかになっています。

 ┌───────────────────────────────┐
 │第1号議案 株式会社甲への資金貸付について           │
 │                               │
 │  議長は、代表取締役Aが株式会社甲に対して、運転資金×××万 │
 │ 円を下記のとおり貸し付けたい旨を述べ、その可否を議事に諮っ │
 │ たところ、出席取締役全員が異議なくこれを可決した。     │
 │  なお、代表取締役Aは、特別利害関係人に該当するため、この  │
 │ 決議には参加せず定足数には算入されない。          │
 │                               │
 │               記               │
 │                               │
 │ (1)貸付日  平成×年×月×日                │
 │ (2)貸付金額 ×××万円                   │
 │ (3)利率   年×%                     │
 │ (4)返済方法 平成△年△月△日に元本及び利息を一括して返済する│
 │ (5)使途   運転資金                    │
 │                               │
 └───────────────────────────────┘

  この記載例では、より詳細に定足数に算入されないということまで記載
 されています。

 ┌───────────────────────────────┐
 │ 代表取締役Aが、議長として取締役の全員と監査役の全員が出席し │
 │ていることを確認したのち開会を宣し議事に入った。なお、第××号│
 │議案である代表取締役解任決議の件については、議長である代表取締│
 │役社長Aが特別利害関係人であるため、代表取締役副社長Bが議長とな│
 │り、議事を進行した。                     │
 └───────────────────────────────┘

  この記載例は、開会宣言等の最初の段階で記載していますが、これでも
 どの議案について特別利害関係人かが分かりますので、このような記載で
 も問題はありません。


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■ 法律クイズ 第438回 【解答】
───────────────────────────────────

 「法律での宗教の定義って?」

 □解答□
 2. ない

  実は、宗教を含めた信教の自由は日本国憲法上でも保障されています
 (憲法20条1項)。しかしながら、宗教についての明確な定義は法律上なされ
 ていません。

  宗教法人法において、宗教団体は「宗教の教義をひろめ、儀式行事を行
 い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体」(宗
 教法人法2条1項)とされるにとどまります。本丸の「宗教」については触れ
 ておりません。

  しかしながら、最高裁判所の有名な裁判例において「超自然的、超人間
 的本質の存在を確信し、畏敬崇拝する信条と行為」と指摘されており、こ
 れが一応法律における宗教の定義にはなるものと考えられます(最大判昭和
 52年7月13日 津地鎮祭判決)。

  宗教はそれだけで学問の1ジャンルになるくらい奥深いもの。いたしかた
 なしといったところでしょうか。


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