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道路交通法(1)

 平成14年6月、新しい道路交通法が施行されました。どんな改正があったのかご存知でしょうか。飲酒運転で、べらぼうに高い罰金がとられるようになったらしい、それくらいの認識のドライバーがほとんどではないでしょうか。新しい道路交通法のポイントを簡単に、チェックしておきましょう。

改正の背景

  • 平成12年の交通事故死者数は9千人、負傷者数は115万人。過去最悪を記録した前年を上回る
  • 平成12年の65歳以上の人口構成比は17.2%に達した
  • 飲酒運転、過労運転、無免許運転による事故が急増し、罰則の強化を求める声が大きくなった
  • 極めて多数の国民が関わる運転免許証に関する、規制緩和の議論の高まり
  • 高齢者の事故の増加
  • バリアフリー化、ノーマライゼーションの進展

 その柱は、つぎのとおり。

  1. 悪質な違反の罰則強化
  2. 運転免許の有効期間の変更
  3. 障害者に対する保護義務の新設
  4. 免許更新期間の延長
  5. 高齢者講習の対象拡大

 では、順に見ていきましょう。

1. 悪質な違反の罰則強化

これが、本改正の目玉。下の表のように改正されました。

違反行為 改正後 改正前
罰則 処分点数 罰則 処分点数
ひき逃げ(救護義務) 5年以下の懲役又は50万円以下の罰金 23点 3年以下の懲役又は20万円以下の罰金 10点
飲酒(酒酔い) 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 25点 2年以下の懲役又は10万円以下の罰金 15点
飲酒(酒気帯び)
呼気中のアルコール濃度0.25mg/リットル以上
1年以下の懲役又は30万円以下の罰金 13点 3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金 6点
飲酒(酒気帯び)
濃度0.15mg/リットル以上0.25mg/リットル未満
1年以下の懲役又は30万円以下の罰金 6点 規定なし
麻薬等運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 25点 2年以下の懲役又は10万円以下の罰金 15点
過労運転 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金 13点 6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金 6点
無免許運転 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金 19点 6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金 12点
共同危険行為等 2年以下の懲役又は50万円以下の罰金 25点 6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金 15点

たとえば、魔が差してひき逃げしてしまった場合をみてみましょう。

旧)
3年以下の懲役または20万円以下の罰金+違反点数10点
新)
5年以下の懲役または50万円以下の罰金+違反点数23点

 一発で、免許取消しです。何かに当たったら、絶対に停車。肝に銘じる必要があります。

 さらに、衝撃的なのが飲酒運転の罰則強化。酒酔いだと、5倍の罰金。酒気帯びだと、6倍。

 また、「ビール1本くらいはでないんだ!」というドライバーに悲報。「酒気帯び運転」になる基準が厳しくなりました。

 呼気中のアルコール濃度による基準が次のように変わったのです

旧)
1リットルあたり0.25ミリグラム
新)
1リットルあたり0.15ミリグラム

 体重60キロの男性がビール1本(大ビン)を飲んだ場合に、15~20分後、検出されるアルコール量らしい。ゴルフ帰りの一杯で、免停プラス30万。全く割りにあわない話になったわけです。

 あなたは、どのくらい飲んだらヤバイ?こちらでチェックしてみましょう。

酒気帯びアナライザー

第2回は、道路交通法(2)をお送りします。

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