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改正派遣法のポイント(4)

 改正労働者派遣法および職業安定法のポイントをみる4回目、最終回です。

 これまで、派遣期間の緩和、派遣先による直接雇用の申し込み義務、派遣対象業務拡大等についてみましたが。最終回の今回は紹介予定派遣の見直しについてみていきます。

4. 紹介予定派遣(テンプトゥーパーム)の見直し

・ 紹介予定派遣の定義が明確に

 まず、今回の改正で、紹介予定派遣(テンプトゥーパーム)の定義が明確になりました。実は、この紹介予定派遣という制度、1999年の労働者派遣法の改正の際にすでに認められていた制度なのです。

 今回の改正法では、まず紹介予定派遣を「労働者派遣のうち、派遣元事業主が労働者派遣の役務の提供の開始前または開始後に、派遣労働者及び派遣先について、許可を受けまたは届出をして職業紹介を行い、または行うことを予定するものをいい、当該職業紹介により、派遣労働者が派遣先に雇用される旨が、労働者派遣の役務の提供の終了前に派遣労働者と派遣先との間で約されるものを含むもの」とし、その定義を明確にしました。

 つまり、紹介予定派遣とは、「労働者派遣のうち、労働者派遣事業と職業紹介事業の双方の許可(または届出)を受けた事業者が、派遣先への派遣労働者の職業紹介を前提として行う労働者派遣」のことをいいます。

 ついで、今回の改正法では、これまで曖昧に運用されていた紹介予定派遣の制度の運用面を明確にしました

 概要は以下の通りです。

1) 求人条件の明示・採用内定等
 改正法により、派遣就業開始前または派遣就業期間中の求人条件の明示、派遣就業期間中の求人・求職の意思の確認及び採用内定を行うことが可能になりました。
2) 面接・履歴書の送付
 紹介予定派遣の場合は、派遣就業開始前の面接、履歴書の送付等の派遣先が派遣労働者を特定する行為が可能になりました。
 紹介予定派遣について派遣先が派遣労働者を特定することを目的とする行為が認められるのは、あくまで円滑な直接雇用を図るためであることにかんがみ、派遣先が、試験、面接、履歴書の送付等により派遣労働者を特定する場合は、業務遂行能力に係る試験の実施や資格の有無等、社会通念上、公正と認められる客観的な基準によって行われることが必要です。
※ 派遣労働者の特定にあたっての年齢・性別による差別防止に係る措置
...派遣先は、紹介予定派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為又は派遣労働者の特定を行うにあたり、直接採用する場合と同様に、雇用対策法に基づく「労働者の募集及び採用について年齢に関わりなく均等な機会を与えることについて事業主が適切に対処するための指針」、及び男女雇用機会均等法に基づく「募集及び採用並びに配置、昇進及び教育訓練について事業主が適切に対処するための指針」の内容と同様の措置を適切に講ずる必要があります。 派遣労働者の特定等を行うにあたっては、これらの指針に従って年齢・性別による差別を行ってはなりません。
 
3) 紹介予定派遣の派遣受入期間
 紹介予定派遣の場合は、同一の派遣労働者について6ヶ月を超えて労働者派遣をすることはできません。
4) 派遣先が派遣労働者を雇用しない場合等の理由の明示
 派遣元事業主は、紹介予定派遣を行った派遣先が職業紹介を受けることを希望しなかった場合、または職業紹介を受けた派遣労働者を雇用しなかった場合は、派遣スタッフの求めに応じ、派遣先に対し、それぞれの理由を書面・ファクシミリ・電子メールにより明らかにするよう求めなければなりません。
 また、派遣先は、派遣元事業主の求めに応じて、それぞれの理由を派遣元事業主に対し、書面・ファクシミリ・電子メールによりで明示しなければなりません。さらに、派遣元事業主は、派遣先から明示された理由を、派遣労働者に対して書面により明示しなければなりません。
 
5) その他
 派遣先は、紹介予定派遣により雇い入れた労働者については試用期間を設けないようにしなければなりませ

 以上、4回にわたって連載を行ってきた改正労働者派遣法および職業安定法の概要ですが、以下改正法施行後の、当事務所で実際に派遣事業の許可、その後のサポートを行っている立場からの感想を述べてみます。

 まず、第1に今回の目玉ともいえる製造ライン派遣の解禁の動向であるが、一部マスコミの報道にもあるように大手製造業などが、業務請負から派遣へのシフトを考えているという動きもないわけではありません。

 しかし、実際に製造ラインの請負を行っているお客様企業の感想からすると、今回の制度は使い勝手が悪く、請負から派遣という流れはまだまだというところです。特にやはり1年の派遣期間という縛りが、受け入れユーザー企業からすると使い勝手の悪さにつながっているように思えます。

 第2に紹介予定派遣の運用が明確になった点ですが、実際に今後企業が紹介予定派遣という採用形態を多くとっていくことが予想されます。

 たとえば、現在もお客様企業からある特殊な技術者人材の案件を聞いているのですが、紹介予定派遣を希望していると聞きます。採用企業側としても、様々な採用リスクを軽減するため、今後この制度をますます利用する方向に進むでしょう。

 人材の流動化が進むといわれ、もう数年がたちますが、この流れを逆流させることはできないでしょう。

 企業側、働く側ともに正規社員、非正規社員(派遣、パート、アルバイト等)の働き方の多様化を望んでいる以上、今回の改正労働者派遣法、職業安定法の改正もその流れをさらに加速させる方向で運用されていくものと考えます

(終わり) 

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