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財産分与(3)

財産分与(3)

今回は、財産分与をするにあたっての注意点についてご説明します。

(1)夫婦財産契約登記をして婚姻をした場合。
それぞれの特有財産を共有財産とする契約、婚姻後の収入を特有財産とする契約、婚姻後の生活費を夫のみが負担する契約など、夫婦の財産に関する契約を登記する制度があります。この登記を婚姻前に行っていた場合は財産分与の際に考慮する必要があります。
なお、夫婦財産契約をしたが、登記をしないで婚姻届を提出した場合でも、夫婦間では契約は有効ですので、考慮をする必要があります。ただし、登記をしていませんので、第三者にその契約内容を理由として「これは私の財産」と主張することは認められないです。
(2)不動産を財産分与する場合。
不動産を譲渡する財産分与の契約をした場合は、法務局に所有権移転の登記申請をする必要があります。このとき、離婚後でなければ財産分与が出来ませんので、登記申請は離婚届提出後に行って下さい。譲り渡す側が譲り受ける側に登記申請を委任するときは、離婚後に作成した委任状が必要になります。
なお、登記申請書に添付する財産分与の契約書は、離婚日より前の日付のものでも構わないです。その際は、離婚前の氏で契約するようにして下さい。
(3)ローン付き不動産を財産分与する場合。
ローンの残債務が残った不動産の場合、抵当権が付いていますので、所有権を譲り受けても心配が残ります。たとえば、ローン債務者の夫が債務不履行となった場合、差し押さえられてしまうためです。
また、「勝手に所有者を変更した場合は一括弁済」といった金融機関とのローン契約も考えられますので、事前に金融機関まで相談に行く必要があります。
このようなことから、可能な限りお金で解決されることをおすすめします。
(3)オーバーローンの不動産がある場合。

これは財産分与の対象としないことが一般的ですが、離婚後に不動産の単独所有者となる側が、婚姻期間中に返済した金額から、利息を引いた額の半額を相手方に分与し、「残債務は不動産所有者が単独で負担」とすることもあります。
個人的には、債務についても財産分与の対象とするべきと考えています。

※ このコラムの内容で損害が生じても責任を負いません。
※ このコラムは2007年4月に執筆、2008年4月に改定されたものです。

執筆者 行政書士 夛治川 満之
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