なっとくアンケート 2006年4月11日 更新
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先日、富山県の市民病院で、医師が延命治療を中止する意図で、患者の人工呼吸器を外して死亡させるという事件がありました。同医師は、患者自身の同意を得ずに、家族の同意を得るのみで人工呼吸器を外しています。死亡した患者は、意識がなく回復の見込みのない状態でした。これからの高齢化社会の中で、終末医療の問題としてこのような事例はますます増えてくると思われます。
医師が末期患者の人工呼吸器を外して延命治療行為を中止し、患者を死亡させた場合、患者本人の同意なく死亡させていることから、同医師の行為は刑法199条の「殺人罪」に問われることが考えられます。仮に、家族の同意が有効であると考えても、同医師の行為は、刑法202条の「嘱託殺人罪」に問われることが考えられます。しかし、同医師の行為が違法ではないと認められれば、刑事責任を問われないことになります。この医師の行為が違法かどうかの問題として、尊厳死を認めるかどうか議論されているわけです。
急性薬物中毒で昏睡状態に陥った後、人工呼吸器につながれ植物状態となったカレン・クインラン(当時21歳)について、彼女の父親は人工呼吸器を取り外し安らかに死なせたいとしたが、医師がこれを拒否、延命を主張したため、裁判となった事例において、1976年3月、ニュージャージー州最高裁は、彼女の両親に対し、1年近くも植物状態にあった彼女の人工呼吸を外してよいという判決を下しました。これは「死ぬ権利」を認めた初のケースです。同年、カリフォルニア州議会では「自然死法(リビング・ウィル法)」を可決し、生前の意思表示により尊厳死を選ぶ権利が法律で保障され、患者の延命治療をやめた医師の責任も一切問われないことになりました。それ以降、尊厳死運動は全米的に広がり、連邦政府も各州の法律を裏打ちする「自己決定権法」を 1991年に制定したものの、1995年4月連邦最高裁は「米国憲法は、死ぬ権利を保障していない」との憲法判断を示し、医師の行き過ぎた自殺幇助に歯止めをかけています。
本人の同意を必要とすれば、(1) 意識不明など本人が意思表示できないときには尊厳死が認められないことになります。次に、(2) 本人の事前の同意を要件としても、その同意の有効期限が問題となります。なぜなら、同意の時期と死期との間に本人の意思が変わることがあるからです。また、(3) 本人の同意が真意なされたものかどうかも問題となります。自暴自棄になった本人の同意が有効であるとは考えるべきではないからです。さらに、(4) わが国では、患者自身が自己の病状を「知る権利」と医療情報のアクセス方法が確立されていません。尊厳死の基礎になるインフォームドコンセント(医師の情報開示と患者の同意)を確立する必要があります。他方、家族の同意のみで認めるとした場合、(5) そもそも本人以外の者が死の決定をできるのかという問題があります。例えば、意思表示できない本人が尊厳死を望まないときに家族が同意をした場合において、延命治療行為を中止して良いのかという問題です。
人の生命にかかわる非常に重い問題ではありますが、皆さまの率直な意見を聞かせて下さい。尊厳死を「認める」とした場合どのような要件が必要かどうかも書いてください。
あなたは尊厳死を認めるべきだと思いますか。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日
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