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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第190号

                      http://www.hou-nattoku.com/
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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2004. 7.27                           第190号
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 発行部数:15,934部(まぐまぐ 13,966部、melma! 1,929部、Macky! 39部)
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 当メルマガを発行しているNPO法人リーガルセキュリティ倶楽部では、
 登録している各種専門家が、あなたの相談を法律的に検討し、その解決の
 糸口を提供します。専門家に依頼した場合の費用についても相談できます。
       https://www.hou-nattoku.com/asp/index2.html

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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第178回
     「ペットの犬が暴力を受けて入院。損害賠償請求できる?」

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 【法人向け】企業のリスクマネジメント
       ~セクシュアル・ハラスメントについて~ 最終回/全4回

  □ なっとく! ランキング

  □ 編集後記 「朝の散歩」



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■ なっとく!法律相談 第178回
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  「ペットの犬が暴力を受けて入院。損害賠償請求できる?」

 □相談□

  犬を散歩させていたところ、「路上駐車のオートバイにおしっ
 こを掛けた」と苦情を言われました。謝罪したところ、突然犬を
 蹴飛ばされました。
  その結果犬がケガをして入院。このままでは、どうしても気が
 すみません。何らかの請求をする事はできるのでしょうか?
                        (50代:男性)

 □回答□

  他人の飼い犬を蹴飛ばし、ケガをさせる行為は、刑法上は器物
 損壊(刑法261条)にあたります。また、民法上は他人の権利を
 侵害する不法行為(民法709条)として、損害賠償を請求するこ
 とができます。
  たとえ、あなたの犬がオートバイにおしっこをかけたのがきっ
 かけだったとしても、被害者側の落ち度として過失相殺(722条2
 項)を受けるにとどまります。

  では、加害者には、どの範囲まで損害を賠償させることができ
 るのでしょうか。
  今回のケースでは、治療費用、入院費用、通院などにかかる交
 通費などが認められます。
  いわゆる慰謝料についてはどうでしょうか。
  財産上の損害を受けた場合でも、受けた精神的苦痛に対する慰
 謝料は認められます。しかし、現実には上記損害額にいくらか上
 乗せされる程度でしょう。

  請求にあたっては、治療を受けた際のレシートなど、支払い額
 を証明するものが必要です。また、獣医さん、近所の人など、証
 人となってくれる人も探しておきましょう。


 [関連情報]
  ・愛犬が車にひかれた場合の損害賠償 (事故一般)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/accident/damage2.php

  ・動物の愛護及び管理に関する法律
                 (知っトク!法律用語の小道)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/mame/yougo/yougo62.php

  ・損害賠償と刑事上の責任 (知っトク!法律用語の小道)
   http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/mame/yougo/yougo60.php



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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報 ( 04/07/21 ~ 04/07/27 )
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。

  7月26日 事故を起こしたら示談の前にまず警察!
                     (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/320.php

  7月23日 企業のリスクマネジメント ~セクハラ編 (3)
                       (法人向け特集)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/special/riskmanage/03.php

  7月22日 自治会費からの役員報酬支出は違法?
                     (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/319.php



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■ 【法人向け】企業のリスクマネジメント
     ~セクシュアル・ハラスメントについて~ 最終回/全4回
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                     弁護士 野田 伸也


 第4 セクハラ対策

 1 セクハラ対策には、「セクハラの予防」と「実際に生じたセ
  クハラへの対応」の2つの側面がありますので、順次説明して
  いきます。

 2 セクハラの予防について
  (1) セクハラ予防の第一歩は、まず事業主が「セクハラは絶対
   に許さない。」という企業方針を明確に社内に打ち出すこと
   から始まります。
    特に中小企業などにおいては、事業主の力強い言葉には、
   極めて大きなセクハラ予防効果が期待できます。これは口頭
   ではなく書面化し(就業規則、社員手帳、掲示板等)、社員
   に周知徹底することが必要です。
    その際、単にセクハラ防止を宣言するだけでなく、セクハ
   ラとは何かから始まって、セクハラ相談窓口や苦情処理手続
   を説明し、加害者には法的責任追求・懲戒処分等により断固
   たる姿勢を取ることを明記すると良いでしょう。

  (2) そして、セクハラ防止に関する企業方針の明確化と並行し
   て、社内のセクハラの実態を調査することが効果的です。
    これにより、実態に沿った実効性ある対策を可能とするだ
   けでなく、企業姿勢を社員にアピールすることが可能となり
   ます。
    また、女性従業員の定着率が悪い企業の場合には、退職者
   にまで調査の範囲を及ぼすことも視野に入れるべきでしょう。

  (3) 更に、社員に対して少なくとも1年に1度はセクハラに関す
   る研修を開催し、企業方針の周知を徹底させることが大切で
   す。
    その際、管理職にはセクハラ対策が人事管理や職場環境整
   備上の重大問題であり、企業や管理職自身が多大な責任を負
   担する可能性があるという認識を持たせることが大切です。
    従業員は、管理職とは別にセクハラについての基本的知識
   とセクハラが生じた場合の対応・手続を説明し、理解させる
   べきでしょう。
    管理職・従業員問わず、男女間の性に対する意識の相違を
   理解させるためにも、男女は一緒に受講させ、討議させるこ
   とが効果的です。

 3 実際に生じたセクハラへの対応について
   実際にセクハラが生じた場合、社内で気軽に相談できる制度
  がなければ、被害者の弁護士等への相談や、告訴・告発、マス
  コミへのリークを招き、一気に法的問題に発展する可能性が高
  まります。
   そこで、まず第一段階として、社内にセクハラ専門の相談窓
  口を設置します。
   そして、この相談段階における相談担当者のアドバイスや相
  談担当者から加害者への勧告によって問題が解決しない場合に
  備えて、第二段階として、社内にセクハラ専門の苦情処理機関を
  設置します。
   この点、セクハラは職場の上下関係に乗じて行われることが
  多いので、被害者の上司・管理者を相談・苦情処理窓口とする
  ことは好ましくありません。専門の相談・苦情処理担当者・部
  署を設けたり、社外の専門家(弁護士等)を窓口とする必要が
  あります。

  (1) 相談窓口設置の注意点
    まず、相談担当者には、セクハラに対して十分な認識・理
   解を有した者を複数人選任し、そのうち最低一人は女性とす
   るべきでしょう。公正・客観的な立場で真摯に相談に乗る体
   制を整えなければ相談窓口設置の意味がありません。相談窓
   口はセクハラについての法的リスクを軽減・除去するための
   大切な制度であるという観点から設置することが大切です。
    相談の方法は、面談に限定せず、電話やメール等によるも
   のも受け付け、匿名の相談も受け付けるようにするべきです。
    そして、当然相談者のプライバシー情報の管理は厳格に行
   い、相談をしたことによって逆に嫌がらせを受けるような二
   次被害が生じないよう十分に配慮する必要があります。

  (2) 苦情処理機関設置の注意点
    相談窓口から苦情処理機関に上げられた事案については、
   出来るだけ迅速に事実関係の確認・調査が進められるよう準
   備しておくことが必要です。被害の深刻度や緊急度によって
   は、調査と並行して、被害者の意思を確認しつつ例えば別の
   職場への異動や休暇を認めるなどの柔軟性があることが望ま
   しいでしょう。
    事実関係の確認・調査の際には、加害者だけでなく他の従
   業員からの事情聴取も必要となりますが、その際には、加害
   者及び被害者の名誉やプライバシーを侵害することがないよ
   う細心の配慮が求められます。
    更に、万が一、被害者が苦情処理に納得せず、加害者や事
   業主の法的責任を追及する意思を有する場合であっても、決
   して被害者を責めるようなことをせず、最後まで誠実に被害
   者の立場に立って事案を処理する態度が重要です。

 3 以上のような相談窓口、苦情処理機関を中小企業で設置する
  ことは、人員的にも予算的にも困難であるという事情がありま
  す。
   しかし、社外の弁護士等を相談窓口、苦情処理機関とするこ
  とによって、合理的なセクハラ対策が実現できるでしょう。

      (「企業のリスクマネジメント~セクハラ編」終わり)

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  次号より、「内部告発編」をお送りします。
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■ なっとく!ランキング ( 04/07/18 ~ 04/07/24 )
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  ホームページ「法、納得!どっとこむ」でアクセスの多かった
 記事をご紹介します。

 第1位 NHKの受信料、払わなければならない?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/143.php

 第2位 うっかりして運転免許証を紛失!
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/accident/menkyo.php

 第3位 妻の浮気が原因で離婚。この上、養育費を払う義務があるのか?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/318.php

 第4位 ヌードを理由に出演映画の販売差し止め請求は可能?
     http://www.hou-nattoku.com/frameset.php?page=/consult/317.php

 第5位 選挙投票を強制するのは違法ではないか?
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■ 編集後記 「朝の散歩」
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  朝起きて、わが愛犬と散歩に出るのが楽しみである。
  烏の鳴かぬ日はあっても、うちの子が散歩に行きたくない日は
 ない。たまには休ませてほしいな~と思うときもあるが、嬉しそ
 うな彼女の顔を見るとこちらの眠気も覚める。

  昨今の暑さで、朝7時近くもなれば、早くも熱気が押し寄せる。
  犬は人間より地面近くを歩くし、地表も思いのほか熱くなって
 いるので、足の裏をやけどしたり、熱気でやられてしまう子も多
 いらしい。
  愛犬家の皆さんは注意してあげよう。
                         (ふくくん)


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発行元:NPO法人 リーガルセキュリティ倶楽部
監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 中西 啓
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