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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第230号

                      http://www.hou-nattoku.com/
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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2005.05.24                           第230号
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 発行部数:23,195部(まぐまぐ 15,755部、melma! 7,377部、Macky! 63部)
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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第218回
    「大学と結んだ資格講座の契約。解約はできないのでしょうか?」
    http://www.hou-nattoku.com/consult/401.php

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 皆で考えよう、法の建前と現実 第6回
    「違法駐車取締りの民間委託について」

  □ なっとく! ランキング

  □ 編集後記 「西山元記者の決意」



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■ なっとく!法律相談 第218回
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  「大学と結んだ資格講座の契約。解約はできないのでしょうか?」

 □相談□

  2005年4月、大学で開講されることになった資格講座に、受講
 を申し込みました。この講座は、資格予備校と大学が契約をして、
 予備校から大学に講師が派遣される形で行われているものです。
 期間は1年間、受講料は30万円です。
  しかし、家庭の事情で受講することができなくなったので、2
 回目が終わった時点(8日後)で、以後の受講を取り消してもら
 うことにしました。
  まず、予備校に問い合わせをしたところ、初期段階のキャンセ
 ルは許されると思う、とのことでした。しかし、大学はキャンセ
 ルを拒否しています。どうにかならないものでしょうか。
                        (20代:女性)

 □回答□

  大学で開講される資格講座の仕組みは、例外もありますが、お
 よそ次のようになっています。
  まず、予備校が大学に講座の開講を企画として提案する、ある
 いは、大学が各予備校に大学での講座の開講を希望し、大学が候
 補となった予備校のうちの一校を選ぶことにより、大学と予備校
 の間で契約が交わされます。
  大学は、講座開講・運営にかかる費用(派遣講師に払う報酬、
 教材の作成費用など)を予備校に支払います。大学は、受講希望
 者から受講費用を集めて予備校への支払いにあてるのですが、講
 座開講にかかる費用は大学の持ち出しになることも、よくありま
 す。
  予備校としては、大学と契約をしているだけなので、個々の学
 生のキャンセルや、受講費用返還などには、その限りで関係を持
 ちません。
  以上より、学生が講座の受講契約を締結した相手は、大学とい
 うことになります。

  このように、大学は、講座開講にかなりの手間と費用をかけて
 います。そうまでして資格講座を開講する理由はなんでしょうか。
  それは、資格取得をバックアップすることにより、学生の勉学
 をサポートし、学生の質を向上させること、そして、それは就職
 活動の成功に結びつき、結果として大学自体の評価を高めること
 になるからです。それが、次年度以降、質の高い新入生を確保す
 ることにつながります。
  しかし、大学は研究機関であるため、資格取得のためのノウハ
 ウを持っていません。それで、その道の専門である資格予備校に、
 講座の開講・運営を委託するのです。

  ここで、学校法人の性質を考えてみます。
  学校法人は、公益法人です。公益法人とは、要するに、金儲け
 を目的としない法人のことです。
  一般的には、公益法人とは、民法34条に基づいて設立される社
 団法人及び財団法人のことを指しますが、民法以外の特別法に基
 づいて設立される公益を目的とする法人も、便宜上、「広義の公
 益法人」ということがあります。
  教育、福祉、医療などという公益の達成のために活動する団体
 がそれで、社会福祉法人(社会福祉法)、宗教法人(宗教法人法)、
 医療法人(医療法)等があります。学校法人も、これに含まれま
 す。
  もちろん、公益法人といえども、収支のバランスを度外視する
 わけには行きません。しかし、営利を目的とせず公益の達成を旨
 とする以上、およそ謙抑的であるべきなのです。

  あなたと大学の受講契約も、有効に締結された以上、その内容
 に一定の拘束力が生じるのは認めざるを得ません。
  ご存知のように、学習塾や語学教室などでの継続的役務の提供
 については、特定商取引法により特別の保護が消費者に与えられ
 ています(41条以下)が、大学が在校生を対象に、教育上の配慮
 として開講する資格講座についても同法による規制が及ぶかにつ
 いては難しいところです。
  しかし、たとえ法律の文言上は適用が困難な場合であっても、
 それを盾に取って一切返還を認めないのは、権利の濫用にあたり
 ます(民法1条3項)。
  大学は、学生の利益を第一義に考えるという建前であるはずな
 のですから、学生が講座に出席できなくなった理由、事情等に配
 慮して、可能な限り受講料返還に応じるべきと考えます。


 [関連情報]
  ・特定商取引に関する法律(特定商取引法)
   http://www.hou-nattoku.com/mame/yougo/yougo53.php

  ・2か月しか通っていないパソコン教室、返金してもらえないの?
   http://www.hou-nattoku.com/consult/347.php

  ・資格取得講座をやめられない!
   http://www.hou-nattoku.com/consult/142.php

  ・資格取得等をうたい文句にした電話勧誘に引っかかった!
   http://www.hou-nattoku.com/consult/15.php



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■ 法、納得!どっとこむ 新着情報 ( 05/05/18 ~ 05/05/24 )
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  前号から今号までの間にホームページ「法、納得!どっとこむ」
 に新しく掲載された記事をご紹介します。

  5月23日 年末調整の還付金について (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/consult/400.php

  5月19日 ネットオークションでの定価表示 (なっとく法律相談)
      http://www.hou-nattoku.com/consult/399.php


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■ 皆で考えよう、法の建前と現実
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  今月のテーマ : 「違法駐車取締りの民間委託について」
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  今週もアンケートの途中経過といただいたご意見の中からいく
 つかピックアップしてお送りします。


 ▼アンケートの途中経過(投票総数:846票)

  「設問:今回の違法駐車取締りの民間委託拡大について」

  賛成 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 469票(55%)
  反対 |||||||||||||||||||||||||||||||||| 377票(45%)
                   (5月24日 17時00分現在)


 ▼いただいたご意見(読みやすいように一部編集しています)

 【賛成】

 ・ベビーカーを押しているとき、歩道に半分乗り上げた車で歩道
  を通れず、わざわざ歩道と車道を分けている段をベビーカーを
  下ろし危ない車道を歩きました。
  これは車椅子でもいえます。また違法駐車で救急車が通れなかっ
  たらどうしてくれるんですか?車の持ち主に慰謝料など払って
  もらえるのでしょうか?
  道路は駐車場にはあらず!どんどん取り締まってもらいたい。
                      (30代後半・女性)


 ・民間委託化については、世界的な流れでしょうから致し方ない
  ということで、ひとまず賛成です。
  しかし、複雑・難解な道路交通関連諸法規(一般論として交通
  警官でさえまったく知識不足!)を、民間の駐車監視員の頭に
  どれだけたたきこめるか、が問題です。
  駐車違反を犯しかつ放置状態の車両の確認事務、と一口に言い
  ますが、関連法、令、規則の不整合な部分を知れば知るほど、
  警察の持っている一種の裁判権を、駐車監視員といえども一般
  の市民に簡単にゆずってよいものかどうか、疑問が残ります。
                        (40代・男性)


 【反対】

 ・民間だと利益優先となるため。公平性にかける。
  民間に委託して、税金をつかうのではなく、駐車違反したら、
  飲酒運転みたいに30万円という罰金にすれば、誰も止めなく
  なります。
  そして取り締まるための警官も少しですみます。(40代・女性)


 ・どこの会社がやるかわかりませんが、民間の会社が公権力を行
  使することには反対です。
  それは、ちゃんと教育された人が実際に取締りを行うのか疑問
  であるし、責任のない臨時職員なんかにやらされたものならた
  まったものではありません。
  実際、民間の会社がそれだけの正式な社員をつぎこんで、でき
  るかも疑問である。             (40代・男性)


  今週は4人の方のご意見を掲載しました。
  この他にも多くのご意見をいただいています。刻々と変化する
 アンケート結果やその他のご意見を読みたい方は、

  http://www.hou-nattoku.com/enq/view_opinion.php

 にアクセスしてみてください。引き続き、ご意見お待ちしており
 ます。
 
 >> http://www.hou-nattoku.com/enq/


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  【お知らせ】次回テーマが決まりました!
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  次週配信号より、「有責配偶者からの離婚請求は認められるべ
 きか」をテーマにお送りします。お楽しみに!!



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■ なっとく!ランキング ( 05/05/15 ~ 05/05/21 )
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 第1位 NHKの受信料問題
     http://www.hou-nattoku.com/enq/archive/01_nhk.php

 第2位 NHKの受信料、払わなければならない?
     http://www.hou-nattoku.com/consult/143.php

 第3位 家出した息子を泊めてほしくない!
     http://www.hou-nattoku.com/consult/398.php

 第4位 自己破産したいけど弁護士費用も払えない!
     http://www.hou-nattoku.com/consult/395.php

 第5位 ネットオークションでの定価表示
     http://www.hou-nattoku.com/consult/399.php



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■ 編集後記 「西山元記者の決意」
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  1972年の沖縄返還交渉に伴う日米間の密約を示す文書を入手し
 て報道し、有罪判決を受けた西山元毎日新聞記者が、「密約を否
 定した当時の判決は誤りで、不当な起訴で名誉を棄損された」と
 して、国家賠償を求め、東京地裁に提訴した。

  西山事件は、憲法では取材活動の自由、刑法では違法性阻却自
 由である正当行為との関係で問題にされる、有名な事件である。

  ・・・被告人は、当初から秘密文書を入手するための手段と
  して利用する意図で・・・肉体関係を持ち、同女が右関係の
  ため被告人の依頼を拒み難い心理状態に陥つたことに乗じて
  秘密文書を持ち出させたが、同女を利用する必要がなくなる
  や、同女との右関係を消滅させその後は同女を顧みなくなつ
  たものであつて、取材対象者である蓮見の個人としての人格
  の尊厳を著しく蹂躙したものといわざるをえず、このような
  被告人の取材行為は、その手段・方法において法秩序全体の
  精神に照らし社会観念上、到底是認することのできない不相
  当なものであるから、正当な取材活動の範囲を逸脱している
  ものというべきである。・・・

 との最高裁の表現を読んでも、当時から相当にスキャンダラスな
 扱いをされた事件であったことが想像できる。

  二人が逮捕されるや、国民とマスコミの興味は、その「情を通
 じ」た(起訴状より)という男女関係に向いてしまい、日米の密
 約の存否などはどこへやら飛んでいってしまった。

  元記者は、「この30年は、まるで氷河期のようだった」と語る。
  今度こそ、真実を見失わず、訴訟の行方を見守りたいものだと
 思う。
                          (ありま)

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発行元:NPO法人 リーガルセキュリティ倶楽部
監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 中西 啓
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登 録 ・ 解 除: http://www.hou-nattoku.com/magazine.php
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その他お問合せ: staff@hou-nattoku.com(メール)
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