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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第173号

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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□


2004. 3.23                           第173号
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■ 目 次
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  □ なっとく! 法律相談 第161回
     「万引きは『現行犯』でしか捕まえられない?」

  □ 「知らない」ではすまされない? 知的財産権入門 第13回
     「不正競争防止法で保護される権利」

  □ 【法人向け】改正労働基準法のポイント 最終回
     「その他の労基法改正点について」

  □ なっとく! ランキング

  □ 法、納得!どっとこむ 新着情報

  □ 編集後記 「春の足音」


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■ なっとく!法律相談
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  第161回 「万引きは『現行犯』でしか捕まえられない?」

 □相談□

  万引きは「現行犯でしか捕まえられない」と聞いたことがあり
 ます。でも監視カメラに写っていて被害届けを出されてしまった
 ら、どうなるのですか?
                      (10代:男子学生)

 □回答□

  「万引きは現行犯でしか捕まらない」というのが定説(?)の
 ようですが、そんなことはありません。「捕まえるのが難しい」
 ことはそのとおりですが、法律上「捕まえることができない」と
 いうわけではありません。

  監視カメラやビデオに万引きの現場が写っていた場合でも、ま
 してやそのような証拠がないときには、犯人がどこの誰だか全く
 わからないため、警察も動きようがありません。その意味で、現
 実には、万引きは現行犯でないと捕まえるのが難しいともいえま
 す。それで、「現行犯でしか捕まえられない」といわれるのでしょ
 う。
  しかし、その人物がふたたび店に来るようなことがあれば、任
 意で事情を聞くことができます。警察では他に証拠があるかなど
 を調べ、本人から「自分がやりました」という自白が得られ、そ
 の他の証拠と矛盾がなければ、その人物が犯人と目されるわけで
 す。

  それから先は、刑事上は警察と犯人間で、民事上(商品の返還、
 損害賠償など)はお店(被害者)と犯人間で、話が進められてい
 きます。
  万引きは、「窃盗」(刑法235条、10年以下の懲役)という歴
 とした犯罪です。起訴され、懲役刑が科されることもあります。
 未遂も罰せられます(同243条)。

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■ 「知らない」ではすまされない? 知的財産権入門 第13回
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 6.不正競争防止法で保護される権利

  不正競争防止法は、事業者間の公正な競争などを確保するため
 に、不正競争行為を類型化して、民事上の救済手段と刑事上の罰
 則を定めています。ルールに基づいた公正な競争が行われること
 によってこそ、国民経済の健全な発展が実現されるからです。

  不正競争防止法によって、不正競争行為とされる行為の類型は
 以下の9つです。

 1. 周知表示混同惹起行為(2条1項1号)
    他人の氏名、商号、商標など(商品等表示)として需要者
    に広く認識されているものと同一、または類似の表示をし
    たり、そのように表示した商品を譲渡などして、他人の商
    品または営業と混同させる行為

 2. 著名表示冒用行為(2条1項2号)
    他人の著名な商品等表示と同一または類似のものを自己の
    商品名等表示として使用したり、そのように表示した商品
    を譲渡などする行為

 3. 商品形態模倣行為(2条1項3号)
    他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡などする行為

 4. 営業秘密に関する不正行為(2条1項4号~9号)
    営業秘密を不正に取得したり、不正に取得した営業秘密を
    使用・開示したり、正当に取得した営業秘密を不正な利益
    を図る目的または営業秘密の保有者に損害を与える目的で
    使用・開示する行為など

 5. コンテンツ(映像・音等)にかけられている技術的保護を無効
  にする装置の譲渡等(2条1項10号~11号)
    映像・音・プログラムにかけられたアクセス制限やスクラ
    ンブル(暗号化)、コピーガードを無効化する機能のみを
    有する装置等を譲渡などする行為

 6. ドメイン名の不正登録等(2条1項12号)
    不正な利益を受ける目的または他人に損害を与える目的で、
    他人の氏名、商号、商標などと同一・類似のドメイン名を
    使用する権利を取得、保有する行為、またはドメイン名を
    使用する行為

 7. 品質・内容等の誤認惹起行為(2条1項13号)
    商品やその広告・取引用書類・通信に、その商品の原産地、
    品質、内容、製造方法、用途もしくは数量について誤認さ
    せるような表示をし、またはそのように表示した商品を譲
    渡などする行為。または、サービス自体やその広告・取引
    用書類・通信に、そのサービスの質、内容、用途若しくは
    数量について誤認させるような表示をし、またはそのよう
    に表示したサービスを提供する行為

 8. 信用毀損行為(2条1項14号)
    競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を
    告知し、または流布する行為

 9. 代理表示等冒用行為(2条1項15号)
    外国の商標権者の承諾を得ずに、その代理人などが、正当
    な理由がないにもかかわらず、その権利にかかる商標と同
    一・類似の商標を同一・類似の商品・サービスに使用する
    行為

  今 回 の ま と め
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ・不正競争防止法では、9種類の行為について民事上の救済手段
  と刑事上の罰則を定めています

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  次 回 予 告
   次回は不正競争防止法に関するQ&Aをお送りします
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■ 【法人向け】改正労働基準法のポイント 最終回
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  「その他の労基法改正点について」

         公認会計士・社会保険労務士・中小企業診断士
                高橋労務会計事務所  高橋 聡

  前回までは裁量労働制に関する改正点について解説致しました。
 最終回の今回は有期労働契約等のその他の改正点について解説致
 します。

 1. 有期労働契約の契約期間の延長及び要件の緩和
                    (労働基準法14条1項)

   従来より期間の定めのある労働契約について原則1年、例外的
  に高度の専門的知識等を有する者(以下、専門的労働者という)
  及び満60歳以上の者については3年までの契約期間が認められて
  いました。
   今回の労基法改正ではこの期間を原則3年、例外的に専門的労
  働者及び満60歳以上の者については5年までの契約期間が認めら
  れました。これは有期労働契約の多くが契約更新を繰り返して
  いるという現状を考慮した改正といえます。

   また、専門的労働者について、従来は「当該高度の専門的知
  識等を有する労働者が不足している事業場において、当該高度
  の専門的知識等を必要とする業務に新たに就く者に限る」とし
  て極めて限定的な要件が付されていました。このため、以前か
  らその事業場に雇用されている専門的労働者との契約を期間3年
  の有期労働契約に切り替えることは「新たに就く者」という要
  件を満たさないため認められず、また、期間3年の有期労働契約
  を更新しようとしても「新たに就く者」に該当しないため原則
  どおりの期間1年での契約更新しか認められなくなってしまうと
  いった使い勝手の悪さが指摘されていました。
   今回の改正法ではこの要件が削除され、専門的労働者が専門
  的知識等を必要とする業務に就く場合には、繰り返し5年以内の
  労働契約を締結できるようになりました。その他、専門的労働
  者の範囲についても若干変更がなされています。従来は修士課
  程修了者で実務経験2年以上の者、プロジェクトマネージャ試験
  合格者、アプリケーションエンジニア試験合格者が専門的労働
  者に含まれていましたが、今回の改正で削除されています。ま
  た一定の有学歴実務経験者及びシステムエンジニアの年収基準
  が従来は575万円以上であったものが1,075万円以上に引き上げ
  られています。

 2. 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準の制定
                   (労働基準法14条2項3項)

   今回の労基法改正により有期労働契約の締結時及び満了時に
  おいて使用者が講ずべき事項についての基準を厚生労働大臣が
  定めることが出来るようになりました。これに基づき「有期労
  働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」が定められまし
  た(平成15年厚生労働省告示第357号)。
   これは有期労働契約では契約期間の更新により実質的に期間
  の定めのない労働契約となっているにもかかわらず、突然契約
  更新を拒絶されるなどいわゆる「雇止め」をめぐるトラブルが
  多発していることから、これらを未然に防止するために定めら
  れました。いずれも使用者に対し一定の義務を課すもので、内
  容は以下の通りです。

   (1) 契約期間満了時の更新の有無の明示
   (2) 更新がある場合において、その更新をする場合、しない
     場合の判断基準の明示
   (3) (1) 及び (2) について変更がある場合の明示
   (4) 雇止めの予告(原則30日前)
   (5) 雇止めの理由についての証明書の交付
   (6) 契約更新時の契約期間の延長に対する配慮

   概ね解雇を行う場合の労働基準法上の規制と同様の規制を課
  しています。

 3. 特別事情による労働時間延長の意義の明確化
              (平成15年厚生労働省告示第355号)

   従来より「時間外労働及び休日労働に関する労使協定」(以
  下、36協定という)において、特別事情が生じた場合に限り
  労使間の一定の手続を経て、告示で定めた限度時間を超えて労
  働時間を延長できるとする「特別条項付協定」を締結すること
  が認められていました。しかし、実際は恒常的に「特別条項付
  協定」に基づく労働時間の延長が行われているのが実情でした。
   そこで平成15年の告示改正により「特別条項付協定」により
  労働時間を延長できる場合は「臨時的なものに限る」旨、明確
  化されました。今後は「特別条項付協定」による労働時間延長
  については延長できる回数を協定上で明示しなければならず、
  この回数は特定の労働者について協定の適用が全体として1年の
  半分を超えないことが必要です。

   この告示の改正は平成16年4月1日より適用になります。各企
  業では36協定の見直しを行い、労働基準監督署へ届け出るこ
  とが必要になります。

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  高橋労務会計事務所  http://www.takahashi-lao.com/
  公認会計士・社会保険労務士・中小企業診断士 高橋 聡
  神奈川県川崎市高津区新作5-8-1-201
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 に新しく掲載された記事をご紹介します。(04/03/17~04/03/23)

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  3月18日 改正労働基準法のポイント (6) (士業の仕事と活躍)
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  3月19日 商標に関するQ&A
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  3月22日 妻に離婚時の姓を名乗らせたくない!
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■ 編集後記
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  「春の足音」

  テレビや新聞で、さかんに花便りを見聞きするようになった。

  小生の住む京都も、早や蕾がほころんできた様子。鴨川河畔を
 遠望すれば、いっせいに芽吹きだした柳の緑と桜の蕾の紅色が煙
 るようだ。
  道路にも観光バスや他府県ナンバーが増えて、休日の渋滞が始
 まった。満開時をピークに人出も多くなる。
  しかし、まこと、「花は盛りに」。長い冬が終わりまさに春に
 なろうとする光景は、なんという美しさだろう。
  考えてみれば、人は、その生を終えるまでに何十回かしか、春
 の訪れを見ることはないのだから。
                           (とも)

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   支えられています。
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発行元:NPO法人 リーガルセキュリティ倶楽部
監 修:弁護士 密 克行、弁護士 浅井 健太、弁護士 片岡 全樹
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登 録 ・ 解 除: http://www.hou-nattoku.com/magazine.php
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