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先送り

 新聞紙上でよく目にする言葉に「先送り」があります。その時点で解決策を検討し、実行することが最も効果的であるにもかかわらず、この「先送り」がこの国では昔から行われてきました。「先送り」の結果、対岸の火事であったものが、足元にまで炎が迫ってきて、ようやく問題の処理策を考えるが既に遅し。結局後手、後手になってしまうことがよくあります。

 これは当初から将来のヴィジョンを描かず、また危険の予測をしていないのかと思ってしまいます。まさか国会ではこのようなことが日常茶飯事ではないことを信じていますが・・・。

 さてこの「先送り」は、多重債務に陥った人たちにとって、その人の人生を左右するほどの行為です。待ったなしです。いつ多額の出費(病気・怪我による入院など)に見舞われるかも知れません。そうなるともはやホールドアップするしかありません。

 最近では、クレジット・消費者金融・ヤミ金の借入れ等により多重債務者となり、にっちもさっちもいかなくなった人たちが大勢います。自殺や夜逃げにまで追い込まれてしまった人もいます。自治体や筆者の所属する司法書士会等各種団体の相談窓口はそのような人たちの駆け込み寺的存在で、救済の道案内になっています。

 こうした専門家で構成する相談機関に多重債務者本人が相談に来た時にはすでに、精神的にかなり疲労困憊の状況に追い詰められています。しかし相談を受けたことを契機に、まず破産等の裁判手続等を通じ、現在の債務を整理することにより、多重債務者本人はその状況から解放され、精神的な余裕が生れた結果、今後の生活設計も可能となり、生活再建に対して意欲が湧き出てきます。

 多重債務に陥った人たちが、今後の人生を豊なものにするには、専門家にまず相談を受け、先送りしないことです。あなたの決断実行あるのみです。

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