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取消し行為の具体的事例(2)

未成年者「単独でできること・できないこと」

具体的事例(2)

成年者だと騙された、と言われてしまいました

Q.

 のバイクを返しに行ったところ、店の人に「アンタの息子さんはタバコをすぱすぱ吸って、さも一人前みたいに振舞ったから成年者だと思って売ったんだよ。こっちこそ被害者だ、返品は絶対認めないからね!」と言われてしまいました。息子に問いただすと、未成年でないといった覚えはない、と言っています。こんな場合は取り消せないでしょうか?

A.

 未成年に見られると売ってもらえないため、自らを成年者と誤信させたような場合には、もはや未成年者としての保護を受けることができません(民法20条)。
 自分が未成年者であると積極的に騙した場合だけでなく、確かに未成年だとは言わなかったけれども、他の言動と相まって相手方を誤信させたり、または誤信を強めさせたと認められるような場合も含まれます。
 息子さんは、確かに未成年でないとは言わなかったにしても、判例によれば、タバコをふかしたり、酒を飲んだりという言動は、相手の誤信を強めることになると判断される場合があるようです。そうだとすれば、バイクの売買契約は取り消せないことになってしまいます。

喫茶店の経営に失敗してしまいました

Q.

 高校を中退した息子が、長年閉めていた喫茶店をやってみたいと言い出しました。グレられるよりはマシと考え許しましたが、案の定赤字まみれになってしまいました。仕入れの未払い金などは誰が払うのでしょうか?

A.

 営業を許可されてその範囲では成年者と同じ扱いとなったわけですから、あくまで息子さんが払わなければなりません。そして、もはや経営者としてふさわしくないと判断された場合には、保護者は営業の許可を取り消すことができます(民法6条2項)。お気の毒ですが、その場合には、息子さんの借金は保護者が肩代わりすることになります。

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