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福岡 千薫子先生  2006年1月20日 更新

「仕事中のけが・病気」 労災から補償

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 皆様も良くご存知のとおり、通勤途上・業務上のけがや病気が起こった場合は、事業所が労働者災害補償保険(いわゆる「労災保険」)に加入している限り、労災保険から治療費や働けない間の休業補償を行ってくれます。この労災保険料は他の保険と異なり、使用者だけが負担しており、正社員、パートタイマー、アルバイト、外国人労働者を問わず補償され、会社を辞めても補償を打ち切られることはありません。

 ただし、労災保険から補償されるには、正当な事由として認められた場合というところで、難しいケースがでてくることがあります。

 労災は、事業主の支配下にあり、施設管理下にあって業務に従事しているか否かという判断の「業務遂行性」と、傷病等が業務に起因して生じたかどうかの「業務起因性」という業務と傷病等との間の因果関係の2つで判断されます。

 一般的に認められにくいケースをお話いたしましょう。例えば腰痛などは、業務と疾病の因果関係を認めるのは難しいといわれています。

 飲食業である顧問先のそば打ち職人の方が、調理場でそばを打っている時に、ぎっくり腰になりました。すぐに病院で治療を受けましたが、ここで問題になったのは、以前から腰の状態が良くなかったのではないか、ぎっくり腰がクセになっていたのではないかという既往症との関係でした。

 確かに職業を問わず、日頃から腰痛のある方、ぎっくり腰になりやすい方はいらっしゃいますね。本当にそばを打つ行為だけが原因であったかどうかを立証するのは難しいところです。いつ、どういった作業や動作・体位で、何を取り扱っていたのかということの説明文に加え、これまた何度も図を描き、場合によっては写真を添付したりして、災害発生の具体的な状況を何度も説明し、書類を提出しなければなりませんでした。また、こういったケースでは、完全な治癒という判断が難しいのです。

 最近よくあるケースとしては、訪問介護事業で働くホームヘルパーの方の腰痛の問題です。幸いにも私が取り扱ったケースで労災が認められなかったことはなかったのですが、様々な職業が増加する一方で、こういった仕事中のけがや病気(精神的なものも含め)も確かに様々なケースが増えています。けがをして病院に運ばれた時に、とっさに健康保険を使ってしまい、後で困ることもありますので、皆さんきちんとけがや病気が起こった時はすぐに病院にかかり、仕事上のけがや病気であることを説明するようにいたしましょう。時間の経過と共に立証しにくくなることが多いようです

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