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「知らなきゃ損する!面白法律講座」第759号

                      http://www.hou-nattoku.com/
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     □□   知らなきゃ損する!面白法律講座   □□

             週1回発行(月曜日)


2015年08月17日                        第759号
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 発行部数: 18,443部(まぐまぐ 13,064部、melma! 5,379部)
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■ 目 次
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  □ ある弁護士の獄中体験記 第16回
   「拘置所の時間割」

  □ なっとく! 法律相談 第747回
   「母の遺産を取り返したい」
    http://www.hou-nattoku.com/consult/1469.php

  □ 今週の話題 ~法律はこう斬る! 第114回
   「就職活動をめぐる法律問題」

  □ 法律クイズ 第433回 【問題】
   「政治家が『企業が広告を出稿しないようにすればいい』発言は
    なぜダメなのか?」
    http://www.hou-nattoku.com/quiz/0954.php

  □ 想うままに ー弁護士日誌から 第15回
   「被疑者勾留」

  □ 議事録から見る会社法 第88回
   「意見又は発言内容の概要2」

  □ 法律クイズ 第433回 【解答】


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■ ある弁護士の獄中体験記
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 山本 至(やまもと いたる)
 元弁護士。昭和29年生まれ。昭和51年早稲田大学卒業。金融機関勤務後平
 成元年司法試験合格、同2年司法研修所入所(修習44期)。平成4年弁護士
 登録(東京弁護士会)。
 平成18年に証拠偽造、証人威迫容疑で逮捕。無罪を主張したにもかかわら
 ず、平成24年10月に最高裁判所で懲役1年6月の実刑判決が確定。宮崎刑務
 所、大分刑務所で服役し、平成26年4月出所。現在は自身の体験談などの執
 筆活動中。
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 第16回「拘置所の時間割」

  宮崎北警察署の「日課時限表」に対応するのが「動作時限表」である。
 その用語からして、より強く行動が制限されているような印象を受けるの
 は気のせいだろうか。さすが拘置所である。

  留置場では、平日・休日の区別はなく、いずれも同じ時間割で生活をし
 ていた。しかし、ここでの生活は、留置場と違って、平日と休日とでは若
 干異なる。前にも書いたが、我々未決拘禁者のための配膳や自弁購入受付
 等々の面倒は、受刑者が見てくれるのであるが、その受刑者自体の時間割
 が平日と休日とでは異なるために、拘置所でも違いが出てくるのである。

  規則集の中の定義によれば、休日とは「土日、祝日、行政機関の休日の
 ことをいう」とされている。まぁ一般社会と異なるところはない。私は二
 度の身柄拘束を受けたが、最初の身柄拘束と二度目の身柄拘束との間は約
 1年空いていた。この間に、厳密にいえば休日ではないのだが、大きく異な
 ったことがある。

  二度目の際には、それまでなかった矯正指導日という制度が導入されて
 いた。我々は未決拘禁者であるから、そもそも「矯正」との言葉が妥当し
 ないのであるが、そういう名前の制度である。
  毎月、第二及び第四金曜日が、矯正指導日とされ、動作時限は、休日と
 同じ扱いになる。しかし、未決からすれば、「矯正」が妥当しないのであ
 るから、単なる休日である(刑務所ではいろいろとあるのだが、それは後日
 に委ねる)。

  刑務官の法定労働時間との関係か何かで導入された制度ではないかと思
 っているが、休日扱いされたことで、外での運動もなくなり、未決にとっ
 ては評判の悪い制度であった。

  拘置所での具体的な一日の時間割は次のようになっている。カッコ内は
 休日バージョンである。
  起床7時20分(7時50分)、点検7時30分(7時55分)、朝食7時40分(8時)、夕
 食16時30分(16時)、点検16時50分(16時20分)、仮就寝19時(18時30分)、就
 寝・消灯21時となっている。
  昼食時間の記載がないのは、元々ないとは考えられず、私が備忘録に書
 き忘れたのではないかと思う。平日は12時で休日は11時30分だったような
 記憶であるが自信がない。

  仮就寝は、寝たい人は寝てしまっていいですよというものである。人間
 そんなに睡眠時間を取れるものではないが、冬には仮就寝時間になるや、
 すぐに布団を敷いて潜り込む。しかも、仮就寝時間は、冬季にあっては寒
 さ対策との配慮から平日休日を問わず18時となっていたので、その時間に
 は布団に入ってしまう。

  寒さに強い私でも、隙間風ビュービューの部屋でじっとしていると身体
 がガタガタと震えるほどの寒さであったから、ありがたかった。18時にな
 るとすぐに布団に潜り込んで寒さをしのぐのである。ただ、布団に入って
 から、1時間ほどは、布団自体が冷え切っているので、布団の中で寒さに震
 えるという劣悪な状態であった。(つづく)


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■ なっとく!法律相談 第747回
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 「母の遺産を取り返したい」

 □相談□

  両親の離婚後、母親と暮らしていましたが9年前に、母が交通事故で寝た
 きりになった後は、叔母夫妻に引き取られました。叔母夫妻は、私を引き
 取ってから母の財産を消費し、仕事を辞め、高級車に乗り、家を建て、毎
 日パチンコ三昧でした。
  その後、2年前に母が亡くなる時に、叔母に全財産を遺贈するとの内容で
 遺書まで書かせられました。私が20歳になったら養子縁組することも迫ら
 れています。叔母は司法書士を雇っているようで、その指示に従ってお金
 を自分の物にしようとしています。残っている母の遺産を取り返したいの
 ですが、どうしたらいいでしょうか?


                        (10代:女性)


 □回答□

  ご相談内容から、気にかかる点があります。1点目は、亡くなられたお母
 様がどのような遺言(遺贈の具体的な内容など)をされていたかが不明な点。
 ひょっとするとご相談者様が遺言内容を知らされていないのではないかが
 気がかりです。2点目は、20歳になったら養子縁組を迫られているという点
 です。

  あくまで予想に過ぎないのですが、通常、ご相談内容のような状況であ
 れば、(遺言をしたときに判断能力が備わっていれば)子を思って、「子供
 が成人するまでは生活に必要な財産を遺産から出してほしい。成人して独
 り立ちしたら残額を子供に渡してほしい」という趣旨の遺言を作成するの
 ではないかと思われます。そうであれば、叔母夫妻はご相談者様が成人し
 たら遺贈に従って残額をすべてご相談者様に渡さなければなりません。
  しかし、養子縁組をして生計を一にすれば、「家族の財産として使って
 いる」と言えなくはないです。そのために20歳になったら養子縁組をしよ
 うと持ちかけているのではないかと思われます。以上のような悪い予想も
 できるため、対応は慎重にすべきです。

  まずはお母様がした遺言の内容を正確につかむことです。遺言を作成し
 た時の意思能力が無いことや、証人として欠格者が立ち会ったりした場合
 (民法974条参照)、叔母による強制のもと作成させられた場合などは無効で
 あるとして訴訟を通じて争うこともできます(最判昭和47年2月15日、東京
 地判平成10年6月29日など)。遺言が無効となれば、法定相続分に応じての
 相続となりますので、亡くなられたお母様のお子様がご相談者様だけの場
 合、遺産の全額を相続できることになります(民法900条を参照)。

  仮に遺言において全額を叔母に渡す旨の内容があり、これが適切なもの
 であると認められたとしても、子であるご相談者様には一定割合が自己の
 ために確保できることが法律で認められています。これを遺留分と言いま
 す。亡くなられたお母様のお子様がご相談者様1人の場合、遺産の1/2が遺
 留分とされます(民法1028条)。

  ご相談内容から最終的に訴訟に発展することも想定される事案だと考え
 られます。また、叔母夫妻が司法書士を雇っていることを考えると、早い
 段階で弁護士などに対応を依頼されることを強くおすすめいたします。相
 続トラブルの解決には長期間を要する場合が多く、費用もかかります。
  コスト面が不安であれば、法テラスで行われている民事法律扶助の制度
 を活用するのが有効です。これは経済的に余裕のない方に対して、弁護士
 費用などの立て替えを行う制度です。
 http://www.houterasu.or.jp/houterasu_gaiyou/mokuteki_gyoumu/minjihouritsufujo/
 活用していただき、スムーズな解決がなされることを心から祈っています。


  [関連情報]
  ・未成年後見人
   http://www.hou-nattoku.com/mame/yougo/yougo193.php



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■ 今週の話題 ~法律はこう斬る! 第114回
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 「就職活動をめぐる法律問題」

  来春の大卒採用に向けた大手企業の選考活動が8月1日より解禁になりま
 した。景気の回復などで、現在「売り手市場」で学生が優位な状況である
 と言われています。

  学業に配慮し、経団連加盟企業は選考活動の開始日を例年よりも遅らせ
 ましたが、経団連に非加盟の外資系企業や中小企業は採用選考をすでに本
 格化させています。文部科学省の調査によれば、大学と短大の7割近くが、
 就職活動中の学生から、企業からハラスメントを受けたと相談されていた
 ことが明らかになりました。その中でも特に、内定を出す代わりに、大手
 企業に応募せずに就職活動を終了するように迫られる「オワハラ」が多い
 とのことです。今回は、就職活動をめぐる問題について見てみたいと思い
 ます。

  今各メディアで取り上げられている「オワハラ」ですが、これは、早め
 に内定や内々定を出した優秀な学生を囲い込むために行われます。文科省
 の調査によれば、内々定の段階で誓約書の提出を求められたり、8月1日の
 大手企業の選考活動の解禁日に内定者の合宿に参加を義務付けて他の企業
 の選考に行くことができないようにしたり、面接の場で他の企業へ断りの
 電話をかけるように強要された、というケースもあるようです。
  新卒採用活動において、1人につき約100万円の費用をかけているという
 企業もあり、採用活動をいかに行うかは企業の命運をかける一大事業とい
 っても過言ではないかもしれません。企業としても簡単に断られてしまう
 のではたまりません。学生に就職活動をやめてもらえないかといった交渉
 を持ちかけるのは一概に悪いこととは言い切れません。

  しかし、度をすぎた内容で一方的に学生に就活の終了を求める場合は、
 その態様によっては刑法の脅迫罪(222条1項)や強要罪(223条1項)が成立す
 る可能性があります。「他企業から内定を受けたら裁判を起こして損害賠
 償をとってやる」という場合には脅迫罪、土下座のようなことをさせる場
 合には強要罪が成立する可能性があります。内定を断るための電話をかけ
 させることにも強要罪が成立する可能性があるという話も聞きますが、さ
 すがに強要罪の成立は難しいかもしれません。

  法的には問題とまではならなくとも、このインターネットが発達した現
 在、企業からそのような態度を取られたということはあっという間に広が
 ります。ブラック企業等との認定を受けてしまうという社会的な制裁を受
 けてしまう可能性もありますので、企業はそのような要求を学生にする危
 険性に十分注意する必要があるでしょう。
  また、自分が学生で、そのような要求がつきつけられた場合には、「こ
 の行為はオワハラかもしれない」ということを認識し、その場で慌てて結
 論を出さないように気をつけましょう。オワハラにあった場合、すぐに就
 職支援窓口に相談するように、としている大学が多いようです。

  なお、内定辞退についてですが、内定は期間の定めのない労働契約と考
 えられています(内定の法的性質の詳細については「内定の取り消しってど
 うなるの?http://www.hou-nattoku.com/topic/101.php」を御覧ください。)
 ので、2週間前の予告期間を置けば自由になしうる、というのが原則となっ
 ています。
  とはいえ、内定をくれた企業は、自分たちの一員として迎え入れたいと
 その学生を高く評価してくれた企業です。自分が学生であって、第一志望
 の企業に内定がとれたので、それ以外の企業の内定を辞退するという場合、
 企業の状況にも思いを馳せて、なるべく早く連絡を入れるといった誠実な
 態度で臨みたいものですね。


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■ 法律クイズ 第433回 【問題】
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 「政治家が『企業が広告を出稿しないようにすればいい』発言はなぜ
  ダメなのか?」

  ある政治家が「報道を懲らしめろ」「企業が広告を出稿しないようにす
 ればいい」と言った発言をしたことが問題視されました。
  しかしこの発言が、なぜそこまで問題視されるのでしょうか?いずれの理
 由のほうが、より正しいかという観点で選択してください。

 1. 政治家が企業に対して働き掛けるような言動が不届きだから

 2. 表現の自由を損なう可能性のある内容であるため


 ▼ 解答は、メールマガジン下部にあります。 ▼





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■ 想うままに ー弁護士日誌から 第15回
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 「被疑者勾留」

  警察が被疑者を逮捕した場合、48時間以内に検察官送致をし、検察官は
 24時間以内に勾留するか、釈放するかをしなければならない。勾留を決定
 するのは、検察官からの請求を受けた裁判官である。

  当番弁護士の要請があり接見にいくと、40代のサラリーマン風の男性が
 逮捕されていた。逮捕2日目である。被疑事実は、出社途中で寄ったコンビ
 ニでサンドイッチと歯ブラシを盗んだというもの。店を出たところで店員
 に取り押さえられ、実害はなかったものの、通報を受けた警察官に逮捕さ
 れた。
  事情を聞くと、特に抵抗した様子などはないようである。ちゃんとした
 会社に勤めており、家庭もあるという典型的なサラリーマンである。自分
 でも何でそんなことをしたのか分からないと言う。朝食は摂ってきたので
 特にお腹がすいていたということもないし、ましてや歯ブラシについては
 まったく必要性のないものであった。

  これまでの取調べには黙秘をしているという。なぜかというと、被疑者
 の権利など諸々のことが皆目分からず、調書を取られてしまったらマズイ
 と考えていた。とにかく弁護士が来るまでということで話をしていないの
 だという。

  警察から送致を受ける検察官は勾留満期で不起訴処分とするのではない
 かと思われた。しかし、勾留は最低でも10日間もあるし、不起訴処分自体
 単なる見込みにすぎない。その間会社を欠勤するにしても、病欠で10日間
 もというわけにはいかない。それだけに勾留というのは、本人にとってか
 なりの負担となる。されないのですむのであれば勾留されない方がいい。

  勾留は、被疑事実が存在すること、住居不定であること、罪証隠滅のお
 それのあること、逃亡のおそれがあることを理由として認められる。その
 他具体的事案に即して勾留の必要性があることも要件となる。通常は勾留
 の理由があれば勾留の必要性もある。
  彼の場合、住居はあるし、罪証といっても盗んだ物が手元にあるわけで
 はないし、コンビニの店員にことさら接触するとも思えない。家族がいて
 会社勤務であることと事件の内容を考えると逃亡することも考えられない。
 逮捕二日目ということもあって、検察官送致となるから、奥さんに身元引
 受書を書いてもらい、これを持参して検察官に勾留請求をしないように頼
 みにいった。
  ところが、けんもほろろに断られた。「最初は否認していたんですよ。
 釈放なんかしません」と言う。女性の副検事だった。否認していたのでは
 なく黙秘していたにすぎないこと、だから現に今はすべてを話しているこ
 と、会社勤務であり場合によっては解雇のおそれもあることなどを説明し
 たが、まったく聞き入れてもらえなかった。

  急ぎ、事務所に戻って、裁判官宛に検察官からの勾留請求を却下しても
 らいたい旨の上申書を提出した。あまり期待はしていなかったが。しかし、
 勾留請求は却下された。直ちに奥さんと共に警察に行き、釈放を求めた。
  ところが、警察官は、「おかしい○○は必ず余罪があるはずだ」「奥さ
 んに身元引受書を書いてもらう」など、ぐだぐだと言う。余罪の有無は関
 係ないし、身元引受書は提出済だと言っても、まだいろいろ言う。勾留請
 求は却下されているのだから早く出してくれと言うと、今手続中だと言う。
 ここで喧嘩をしても仕方がないので、1時間ほど待ち、やっと身柄が解放さ
 れた。警察の態度にはかなりの不満があったが、解放を喜んだ。彼は病欠
 ということで会社関係も無事だった。

  形骸化した勾留裁判が多い中で、この事件での勾留裁判官の態度は見事
 であった。修習生時代に刑事裁判教官が、逮捕や勾留については勇気をも
 って却下すべきだと教えてくれたが、まさにそのとおりである。勇気ある
 裁判官はほとんどいない。


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■ 議事録から見る会社法 第88回
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 「意見又は発言内容の概要2」

 ■取締役会での取締役や監査役が意見を述べた場合についての記載例

  前回は、「取締役会における取締役等の意見について法定されている事
 項」に関して説明をしました。今回は、法定の事項にかぎらず、取締役等
 が意見や発言した場合の取締役会議事録での記載について、具体例を入れ
 ながら説明したいと思います。

 ┌───────────────────────────────┐
 │ ・・・・・・・・担当取締役から上記計算書類についての詳細説 │
 │ 明があり、出席者より質疑応答があった後、議長から本議案の計 │
 │ 算書類は第×回定時株主総会に付議したい旨を諮ったところ、  │
 │ 出席者全員が承認した。                   │
 │                               │
 └───────────────────────────────┘

  監査役には取締役会への出席義務があります(会社法383条1項)。したが
 って、ここでの「出席者」に含まれますので、「出席者より質疑応答があ
 った」と記載することで、監査役の取締役会での意見があった旨の記載が
 されたこととなります。また、この「出席者」の中には出席している取締
 役も当然に含まれます。

 ┌───────────────────────────────┐
 │ 1.A株式会社への融資について                 │
 │                               │
 │ 甲取締役から、A株式会社への融資について、末尾添付の「A株式 │
 │ 会社に対する融資の件」にもとづき、次のとおり提案があった。 │
 │                               │
 │  平成◯年◯月   ×××百万円              │
 │  平成◯年◯月   ×××百万円              │
 │  平成◯年◯月   ×××百万円              │
 │ ───────────────────────────── │
 │      計    ×××百万円              │
 │                               │
 │ (意見、質疑応答の要旨)                   │
 │  ア.・・・・・・・・(甲取締役)               │
 │  イ.・・・・・・・・(乙常務取締役)             │
 │     ・                         │
 │     ・                         │
 │     ・                         │
 │  ク.・・・・・・・・(α監査役)               │
 │  ケ.・・・・・・・・(乙常務取締役)             │
 │                               │
 │ よって、議長がこれを議場に諮ったところ、全員異議なくこれを │
 │ 決議した。                         │
 │                               │
 └───────────────────────────────┘

  商事法務研究会の調査によると、常務会や経営会議等の取締役会以外の
 会議体で事実上重要な業務執行の決定をしている会社は約83%にも及びます。
 このように重要な業務執行の決定は、大部分の会社では実質的に常務会等
 の別の会議体で行われているので、取締役会は形骸化され、あまり活発な
 意見は出ていません。
  ただし、活発な意見が出た場合には、その意見について具体的に記載し
 ておくべきです。意見を述べておけば、取締役の責任追及訴訟で敗訴し、
 判決の連帯債務の部分で取締役間の負担割合が問題となったとき、有利に
 働く可能性が大きいといえます。また、議案に反対の場合には、その旨を
 取締役会議事録に記載しておかないと決議に賛成したものと推定されてし
 まいます(会社法369条5項)。
  したがって、取締役の意見や発言についてはできるだけ具体的に記載し
 ておくべきです。


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■ 法律クイズ 第433回 【解答】
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 「政治家が『企業が広告を出稿しないようにすればいい』発言はなぜ
  ダメなのか?」

 □解答□
 2. 表現の自由を損なう可能性のある内容であるため

  日本国の憲法では、表現の自由が保障されています(憲法21条参照)。表
 現の自由の中には、報道の自由も含まれています。
  そして、報道の自由の中核を担うのは新聞社やテレビ局などのいわゆる
 マスコミです。

  国会議員がマスコミを経営的にうまくいかないようにさせ、ひいては報
 道内容に注文をつけるような結果を引き起こせば、表現の自由が損なわれ
 ます。元来、憲法は国民に認められる権利を明確化して、行政機関や立法
 府が権利を侵害しないように規律するためのものです。

  問題で示した発言は、憲法上保障される国民の権利を、国が侵害するよ
 うな内容と受け取られかねないために、問題視されているわけです。


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